第236話上の御局の御簾の前にて(2)
清少納言先生:続きをお願いします。
舞夢 :了解しました。
私は近くに座っている女房に近寄り、
「白楽天の琵琶行で、なかばかくしたり、と詠まれている人でも、中宮様ほど美しくはなかったと思いますよ、白楽天の詩に出てくる人は、平民だったのでしょう」と言うと、その女房は通るほどの道もないのに、人をかき分けかき分け中宮様の御前に参上し、
「清少納言様が面白いことをいっておられます」と申し上げています。
中宮様は、お笑いになり
「そんなことを言うのなら、琵琶行の別れの意味も知っているのかしら」とおっしゃられたとのこと、それがとても心が惹かれます。
清少納言先生:はい、お疲れ様でした。
舞夢 :ここで白楽天ですか。
清少納言先生:うん、このお話のあと、中宮様のお父様の関白道隆様が半年後にお亡くなりに。
舞夢 :うーん・・・それもありますか。
白楽天は当時の貴族社会の共通知識。
本来は、男が専門となり漢学であるけれど、それを自由に使いこなす中宮と清少納言先生。
そういうところにも、面白みを感じる。
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