第235話上の御局の御簾の前にて(1)
清少納言先生:今日は上のお局の御簾の前での話になります。
舞夢 :了解しました。訳をしてみます。
弘徽殿の上の局の御簾の前で、殿上人たちが琴や笛の音楽で遊び、楽しく過ごした日のことです。
大殿油を灯す頃合いになりまして、まだ中宮様の御前の御格子を下ろしていないのに、灯りを差し出してしまったので、戸が開いてしまっているのが、外からはっきりとみえてしまいました。
見えてしまった中宮様は、琵琶を立ててお持ちになっておられます。
御着用されている紅の御衣は、どのような褒め言葉も平凡になるほど素晴らしい桂や糊付けした衣を何枚も重ねてお召しになっておられます。
しっかりと黒光りしている琵琶に、お袖を打ち掛けて抱えておられる姿だけでも、素晴らしいのに、御額のあたりが本当に色白で綺麗で人目についてしまうほど、琵琶にも隠れず見えてしまうのは、なんとも書きようがないほど素晴らしいのです。
清少納言先生:はい、そこまで。
舞夢 :弘徽殿の局の前での音楽会ですか。
清少納言先生:はい、この頃の遊びは詩歌管弦の遊びですね、最大の楽しみです。
舞夢 :ふとしたついでに、全て見えてしまったのですね。
清少納言先生:そうですねえ、そういうこともあります。
上の御局の御簾の前にて(2)に続く。
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