第222話なまめかしきもの(3)
清少納言先生;続きをお願いします。
舞夢 :了解しました。
五月の端午の節句の節会に、帝から群臣に下賜する薬玉を取り次ぐ女蔵人。
新嘗会の御神事に奉仕する人が小忌衣につける赤紐とまでは言えないけれど、髪には菖蒲を挿し、領巾や裙帯などで身を飾り、薬玉を立ち並ぶ皇子や上達部に差し上げる光景は、素晴らしく優雅に見えます。
皇子や上達部が拝領の後、お礼の舞を舞うのも、本当に素晴らしく見えるのです。
紫の薄様紙に包んだ手紙を房の長い藤の枝に結びつけてあるのも、瑞々しい美しさを感じますし、小忌衣を着て御神事に奉仕をする君達の姿も若さにあふれて美しく見えるのです。
清少納言先生:はい、お疲れ様でした。
舞夢 :若々しく瑞々しい美しさですね。
清少納言先生:「なまめかしき」は本来女に対して使いますが、男に対しても問題はありません。
舞夢 :色彩感も関係ありますね。
清少納言先生:若い肌のなまめかしさも、重要です。
確かに若々しく瑞々しい美しさは、女性男性を問わない。
いつかは失うと思うけれど、それより前に愛でることが幸せの第一歩なのかもしれない。
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