第210話職の御曹司におはしますころ(12)

木守は本当にうれしそうです。

「お安いご用です。ちゃんと見守番をしますよ、童たちが乗って遊ぶでしょうから」と言うので

私(清少納言)は

「それはやめさせてください、やめない者がいたら、その者の名前を教えなさい」と再々念を押します。

中宮様は内裏にご帰参なされたので、私は七日までおそばに仕えて里邸に戻りました。

里にいる間も雪山が心配で宮中に出入りする者や樋洗童や長女を観察に行かせて、常に気をつけます。

七日の節句の七草粥のお下がりまでも、木守に届けさせます。

「木守は、お下がりを拝んでいました」と使いの者が報告してくるので、全員で大笑いになりました。


清少納言先生:はい、そこまで。

舞夢    :まあ、仕方ないことですが、必死ですね。

清少納言先生:賭け事も始めたら決着を見ないとねえ。

舞夢    :雪山でも掛けになるとは知りませんでした。


職の御曹司におはしますころ(13)に続く。

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