第204話職の御曹司におはしますころ(6)
清少納言先生:続きをお願いします。
舞夢 :了解しました。
中宮様が
「この雪はいつまで残っているのでしょうか」と人々に声をかけられるので、女房たちは「十日は残るでしょう」とか「十日以上は残るでしょう」などと短めの日数を答えます。
中宮様が、私(清少納言)に「あなたはどう思うの?」とお尋ねなさるので、私は「正月の十日すぎまでは残ると思います」と答えました。
中宮様も、まさかそれほど残ることもないだろうと、お思いの様子。
他の女房たちがほとんど年内、まさか月末までは残らないでしょうと申し上げる者ばかりなので、確かに日数を言い過ぎたものでした。
他の人の言うように正月半ばまではとても持たないでしょう。
せめて元旦までと言えばよかったと思うけれど、今さら仕方がない。
月半ばまでは残らないと思ったにしても、言い出してしまったことは、そのままにしようと思い、最後まで皆に反対しました。
十二月二十日頃に雨が降りましたが、溶けてなくなるようでもありません。
それでも高さが少しずつ低くなるので「加賀白山の観音様、この雪を溶かさないでください」と仏頼みをいたしました。
まあ、いつもの私では考えられないことです。
職の御曹司におはしますころ(7)に続く。
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