第196話物のあはれ知らせ顔なるもの

清少納言先生:今日は短いです。ササッとお願いします。

舞夢    :了解しました。


しみじみとして、いろいろと考えさせられるもの。

鼻水を垂らして、絶えず鼻をかみながら、あれやこれやと語り続ける人の涙声。

眉を抜く時のつらそうな顔。


清少納言先生:はい、お疲れ様。

舞夢    :先生にしては、珍しい表現ですね。

清少納言先生:私だって、そういう人をむやみに批判はしません。

舞夢    :その場にあっているかどうかの基準ですね。

清少納言先生:というよりはね、父の元輔のところには、お年寄りがよく訪ねてきたの、まあ、父も学者だったし。私もなんとなく近くにいて話を聞いていたからかな。

その姿がね、涙話の姿が心に残っていてね。

舞夢    :自慢の娘さんでしたでしょうね。

清少納言先生:うーん・・・さあ・・・


おそらく清少納言先生は、客の涙話をじっと聞く父の元輔を懐かしんでいると思った。

そうでなければ美しさを求める清少納言先生が、こんな文を書くはずがない。

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