第177話頭の中将のすずろなるそら言を聞きて(6)
清少納言先生:続きをお願いします。
舞夢 :了解しました。
宣方様は語りだしました。
昨夜のことですが。頭の中将様が宿直をなされている所に、おなじみの話が合うものばかりを集めまして、六位のものまで集めました。
それで、いろんな人のことを昔のことから最近のことまで、取り混ぜて話の種としていたのですが、
斉信様が
「やはりね、この清少納言先生と完全にお付き合いをなくしてしまうと、後々いくら嫌っているにしても、どうしても気になって仕方がない」
「もしかして、私に何か声掛けをしていただけると思って、待っていたのだけど、全然気にもかけられず、音沙汰もない」
「素知らぬ顔でいるしね、それが癪にさわるから、今夜を限りとして、キッパリとお別れするか、仲直りするか、決めてしまおうよ」
と言うものだから、集まったもの全員で相談して決めたことを実行したのですよ。
「清少納言様は、すぐには見ませんということで奥に入られてしまった」
使いに出した主殿司が、そんなことを言って戻ってきたので、斉信様はすぐに主殿司に引き返すように、キツくお命じになります。
「どんな返事でもいいから、清少納言様の袖を抑えてでも、すぐに返事をもらうか。そうでなければ渡した手紙を取り返してこい」そんな感じです。
それで主殿司は、かなりひどい雨の中を行かせたのに、案外早くというか、あっという間に帰ってきました。
清少納言先生:はい、そこまで。
舞夢 :あれあれ・・・なかなかですね。
清少納言先生:全部聞きだしてありますので(笑)
頭の中将のすずろなるそら言を聞きて(7)に続く。
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