第178話頭の中将のすずろなるそら言を聞きて(7)
清少納言様先生:続きをお願いします。
舞夢 :了解しました。
宣方は説明を続けます。
戻ってきた主殿司が、差し出したのが、先ほど持たせた手紙そのものだったので、やはり、そのまま返してきたのかと思って見ると、頭の中将様たちはみんなで大騒ぎになります。
「何のことだろう、おかしいなあ」と全員が近くに寄って見ると、「まあ、なんと表現が上手な人だ、忘れられないような人だねえ」と騒いでいます。
斉信様が、「『草の庵を誰か訪ねん』の上の句をつけようではないか、源中将つけてみろよ」などと言うものだから、夜更けまで何とつけるか、話し合って困るほどで結局はそのままになってしまって、先々語り継がれるようなことだと、ようやく全員の感想がまとまりました」
宣方は、本当に黙っては聞いてはいられないことを話し続け、そのうえ「これから清少納言様のことを、草の庵と呼ぶことにいたしまう」などとまで言って、急いで立ち上がっていなくなってしまいました。
頭の中将のすずろなるそら言を聞きて(8)に続く。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます