第178話頭の中将のすずろなるそら言を聞きて(7)

清少納言様先生:続きをお願いします。

舞夢     :了解しました。


宣方は説明を続けます。

戻ってきた主殿司が、差し出したのが、先ほど持たせた手紙そのものだったので、やはり、そのまま返してきたのかと思って見ると、頭の中将様たちはみんなで大騒ぎになります。

「何のことだろう、おかしいなあ」と全員が近くに寄って見ると、「まあ、なんと表現が上手な人だ、忘れられないような人だねえ」と騒いでいます。

斉信様が、「『草の庵を誰か訪ねん』の上の句をつけようではないか、源中将つけてみろよ」などと言うものだから、夜更けまで何とつけるか、話し合って困るほどで結局はそのままになってしまって、先々語り継がれるようなことだと、ようやく全員の感想がまとまりました」


宣方は、本当に黙っては聞いてはいられないことを話し続け、そのうえ「これから清少納言様のことを、草の庵と呼ぶことにいたしまう」などとまで言って、急いで立ち上がっていなくなってしまいました。


頭の中将のすずろなるそら言を聞きて(8)に続く。

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