第176話頭の中将のずずろなるそら言を聞きて(5)
清少納言先生:続きをお願いします。
舞夢 :了解しました。
結局寝てしまいまして、かなり早く自分の部屋に戻りました。
すると、源中将宣方様の声がします。
宣方様は
「ここに草の庵はいるのかい?」と大声で言うものですから
私は
「あらあら、それは奇妙なお話ですねえ、草の庵なんて不似合いな者はここにはおりません」
「せめて、玉の台とでも声がかかれば、お返事もあると思いますよ」と返しました。
すると宣方様は
「あら、それは安心しました、局にお下がりということですね、私は中宮様のところまで出向いて探そうかと思っていました」と言い、昨夜の事件の経緯を語り始めます。
清少納言先生:はい、そこまで。
舞夢 :わざわざ、探しに来たんですね。
清少納言先生:まあ、暇つぶしにも程があると思うけれど、草の庵ってね、それは無粋ですよ、仮にも宮中で。
舞夢 :それは、そうですねえ、昨日の先生の「返し」への対応とは思いますが、無粋と言えば無粋です。
宣方も、気を使って清少納言先生に声をかけたけれど、手ひどく捻り返された話になる。
清少納言先生の面目躍如である。
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