第170話御仏名のまたの日(1)

清少納言先生:今日は、御仏名のまたの日の話です。

舞夢    :了解しました。訳をしてみます。


御仏名の行事の行われた次の日、帝が地獄絵の屏風を持ち込まれました。

どうやら中宮様にお見せするらしいのです。

しかし、これは不吉なことでもあり、恐ろしさも限りありません。

帝は「これをご覧になりなさい、これをご覧になりなさい」と強く何度もおっしゃられますが、私は「そんな地獄変相図など決して見たくありません」と小さく間仕切りした部屋に退散です。

雨も激しく降りますし、帝も所在がないのでしょう。

殿上人を上の御局に御召しになり、管弦の遊びをなされるようです。


清少納言先生:はい、そこまで。

舞夢    :まあ、不吉と言えば不吉。しかし・・・

清少納言先生:しかしとは?

舞夢    :清少納言先生でも、怖いことがあるとは。

清少納言先生:ありますとも・・・それとも・・・

舞夢    :それともとは?

清少納言先生:一緒に隠れてくれる?


またしても軽く返されてしまった。


御仏名のまたの日(2)に続く。

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