第169話ここちよげなるもの

清少納言先生:今日は、ここちよげなるもの、今の言葉で言えば気分のよさそうなものかな。

舞夢    :了解しました。訳をしてみます。


気分のよさそうなもの。

正月卯の日。

魔除けの卯杖を届けて長寿を祝う時。

御神楽で人長舞をつとめる者。

神楽の時に、振旗を持つ者。

祇園の御霊会の馬の奉行。

池の蓮が村雨に濡れて光る様子。

人形遣いの長。


清少納言先生:はい、お疲れ様。

舞夢    :先生、全て今の時代では使わない言葉です。

清少納言先生:それはそれは・・・

舞夢    :まず、正月卯の日がわかりません。

清少納言先生:正月上の卯の日には、大舎人寮及び、近衛、兵衛等の六衛府から祝いの杖を献上する儀式があります。その杖は曽波木、比比良木、牟保許、棗、桃、柏、椿、木瓜、梅などの木を長さで五尺三寸の杖にします。それからその頭部から半分ぐらい、紙で包む。この杖を一株から四株ずつ束ねて一株に、これを二株にも、また三株にも結び、数束案上に置いて奉るのです。

悪鬼を祓う呪いとして献じるようになって、それを人に贈って祝とするようなことで、その時に祝いの言葉を述べるのです。

舞夢    :いや、本当に見たこともないお話で・・・

清少納言先生:まあ、仕方ない、御神楽は石清水、賀茂、御厨子所、内侍所、大嘗会の神楽、人長舞は神楽のリーダーで近衛府の舎人があたります。

舞夢    :馬の長は、御霊会で?

清少納言先生:はい、御霊会で馬に乗り、馬の口取りの舎人二人に指図をします、なかなか、派手な衣裳でね、かっこいい。


少しついていけないけれど、そういう習慣が今はない。

まあ、仕方がないけれど、見てみたい気もする。



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