第159話内裏の局、細殿(3)

清少納言先生:続きをお願いします。

舞夢    :了解しました。


女房としては、しのんできた男君に冬は火鉢に箸をそっと立てる音で、つまり他の女房に遠慮して、いろいろと慎重に合図を送る。

ところが、男君は聞こえないようだ。より一掃、強く戸を叩くので、女房もこれでは仕方がない。声を出して返事をする場合もある。

そういう時は、物の陰に隠れて、二人の会話に聞き耳を立てることもある。


清少納言先生:はい、そこまで。

舞夢    :なかなか、聞き耳とは・・・

清少納言先生:男君も忍んでくるからには、立派なお方。女房たちも、そういう情報は欲しいの。大事なことです。

舞夢    :今後の仕事の上でですね・・・


とにかく現代社会の「プライベートの自由とか保護」という考え方がなかった時代だと思う。

まさに「壁に耳あり障子に目あり」である。

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