第160話内裏の局、細殿(4)
清少納言先生:続きをお願いします。
舞夢 :了解しました。
また、女房たちが大勢で詩を朗読する、あるいは歌をうたう時など、男君としては戸を叩くことも必要はないけれど、そもそも、女房たちの方から戸を開けてしまいます。
そうなると、もともと、ここへ来る予定も気持もなかった人々も、細殿に立ち止まってしまいます。
ただ、もはや座る場所もなくて、立ったまま一夜を明かしてもらうことになって、それはそれで面白いのです。
そんな立っている人の中に、几帳を通して、帷子の色も鮮やか、裾のヘリが重なり合って直衣の後ろが、ほつれているような色好みの若い公達や、六位の蔵人が青色の袍を来て自慢げに立とうとするのが見えています。
それでも槍戸のところには身を寄せて立ち続けることはできず、塀に背中を押し付けて、袖をいじりながら立っている姿は、笑ってしまいます。
清少納言先生:はい、そこまで。
舞夢 :見物人がいるんですね。
清少納言先生:はい、それはいますよ、今をときめく女房たちの唱和ですから。
舞夢 :一度、拝見したいものです。
清少納言先生:この世に来たら、お見せしましょう。
・・・そうなると、あの世も捨てたものではない。
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