第140話草は(3)

清少納言先生:続きをお願いします。

舞夢    :了解しました。


事なし草は、念願の成就となる草なのだろうか、なかなか面白い。

しのぶ草は、とても情趣あふれる名前だと思う。

道芝も、すごく面白い。

芽花も風情です。

蓬もいいなあ。

山菅。日陰。山藍。浜木綿。葛。笹。あおつづら。ナズナ。苗。

浅芽も、大変風情にとみます。


清少納言先生:はい、そこまで。

舞夢    :事なし草とは?

清少納言先生:歌枕で、「能因歌枕」に、「ことなし草というは、壁に生える也」となっているけれど、ほぼ名前が面白いから、書きました。

舞夢    :しのぶ草は、木とか軒に生えるシダみたいのですか?

清少納言先生:はい、それよりも名前がいいなあということ。

舞夢    :道芝は路傍の芝草ですね。

清少納言先生:万葉集に「立ちかはり 古き都と なりぬれば 道の芝草 長く生ひけり」、人が通わなくなった道に生い茂る草ですね、寂寥感があります。

舞夢    :芽花は、ちがやの花でしょうか。

清少納言先生:はい、早春にはつぼみ、食することもあります。

舞夢    :蓬も食用ですね、今でも蓬饅頭があります。

清少納言先生:へえ、そうなんだ。ところでね、山菅はやぶらん、竜のひげとも言います。

舞夢    :日陰はひかげのかずら、蔓草で神事にも使いますね。それから山藍は染料でしょうか。

清少納言先生:はい、新嘗会の際の衣に関係があります。葉の汁で藍色に染めます。

舞夢    :浜木綿は、浜おもとで、海岸に生える多年草でしょうか。

清少納言先生:幾重にも重なっていますね。その重なるところから、「み熊野の 浦の浜木綿 百重なす 心は思へど 直には逢はぬかも」と万葉集にあります。

舞夢    :葛、笹はわかりますが、青つづらとは?

清少納言先生:つるを、籠に編みます。つづら藤ともいいます。ナズナは春の七草、苗は稲ですね、これも草の頃です。浅芽は、丈のひくい、ちがやです。春には白い花が咲きます。


(4)に続く。

 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る