第139話草は(2)
清少納言先生:続きをお願いします。
舞夢 :了解しました。
危う草は、崖のふちに生えていると言います。確かにその通り、危う草だと思います。
いつまで草というのもあって、これもまた、可哀想な草だと思う。
崖のふちよりも、いつまで草のほうが、崩れやすい壁に生える。
立派な漆喰の白壁には、とても生えないだろうと思うと、見劣りがする。
清少納言先生:はい、そこまでで。
舞夢 :危う草は、そういう草の種類があるのですか?
清少納言先生:特定というよりは、根無し草です。崖の上に生えているというのも。「和漢朗詠集」に、「身を観ずれば、岸の額に根を離れたる草のごとし」ということで、落ちていく人が最後に見る草、あるいは根も抜けてしまった草ですね。
舞夢 :いつまで草もよくわかりません。
清少納言先生:これも、歌枕です。「壁におふるをばいつまで草といふなり」というのが、「能因歌枕」にありまして、名前が面白いということかな。立派な君が、壁の崩れるような(いつまで草)が生えるような家には、「いつまでも」逢瀬に来ない。逆に立派な漆喰の白壁の御屋敷の姫君には、いつまで草のことなどは、見ることもない、そんなところでしょうか。
切実な悲哀感を感じる解説だった。
草だけでも、様々な表現が出来るものだ。
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