第141話草は(4)

清少納言先生:続きをお願いします。

舞夢    :了解しました。


蓮は他のどんな草と比べても格段に素晴らしい。

「妙法蓮華経」とあるように、花は御仏に奉り、その実は数珠の玉に貫き、阿弥陀仏を祈念し極楽往生へのお導きとなるご縁を結ぶものなのです。

他の花が咲かない夏に緑色をした池の水に浮かび、紅に花開くのは、言葉に出来ないくらい素晴らしい。

蓮は「翠翁紅」と漢詩にも歌われています。


清少納言先生:はい、そこまで。

舞夢    :蓮は極楽浄土の仏の座ということですね。

清少納言先生:泥や土から隔絶して清浄な花を咲かせる蓮に、仏性を見たのでしょうね、煩悩も蓮の花の前では、消え去ります。

舞夢    :「翠翁紅」の漢詩とは?

清少納言先生:和漢朗詠集に「煙翠翁を開く清風の暁。水紅衣を浮かぶ白露の秋」とあって、翠翁は蓮の葉、紅花は蓮の花となります。


現代日本人ではよくわからない、法華経を通じて阿弥陀仏に至るという考え。

もともと、延暦寺では朝に法華経、夕に阿弥陀を念じるのだから、対立する概念ではないのだと思う。

この対立の原因は、日蓮宗の開祖に責を求めるべきなのか。

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