第115話職の御曹司の(9)

清少納言先生:続きをお願いします。

舞夢    :了解しました。


帝と中宮様のご様子に心を奪われていると、南の遣戸の側の几帳の腕木の突き出た部分が邪魔しているのか、簾が少し開いています。

その開いた部分から、黒っぽいものが見えるので、則隆がいるのだろうと、およその見当をつけて見ることもしません。

そんな状態で、他の話をしていると、だれかが、本当にうれしそうな顔で近づいてきます。

それでも、まだ則隆と思っていると、則隆とは別人です。

予想外のことだと思って、大笑いになり、もう一度、几帳を引き直して隠れると、行成様なのです。


清少納言先生:はい、お疲れ様。

舞夢    :いや、これも、あっと驚きですね。

清少納言先生:まあ、油断もスキもありません。

舞夢    :しかし、楽しい文です。

清少納言先生:そうですね、懐かしい時期です。


宮中の平和な時期を、楽しく書いておられる。

こうやって書いてくれるから。当時を楽しくしのぶことができる。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る