第109話職の御曹司の(3)

清少納言先生:続きをお願いします。

舞夢    :了解しました。


私と頭の弁は、「遠江の浜柳のように、今は別々であっても、いつかはめぐり逢いましょう」と、言葉を交わしているのですが、若い女房たちは、そうではありません。

彼女たちにとって頭の弁は、物の言い方がストレートで見るに値しないことは見ないとか、とにかく歯に衣着せないので、「この頭の弁の君ほど、神経を使い、会いたくない人はいません」「他の人のように歌を歌うとか、面白がるとかがないし、味気がない」と、悪口を言うのです。

確かに頭の弁は、のべつまくなしに女房に話しかけることなど、全然ありません。


清少納言先生:はい、お疲れ様。

舞夢    :少しずつ、行成様の雰囲気がわかってきました。

清少納言先生:年下なんだけど、媚びてこないから、好きなの。

舞夢    :ほーー・・・やはり。


力を持つ者は、他の力を持つ者を、率直に見抜く。

なかなか、奥が深そうな、知的な関係だと思う。

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