第36話すさまじきもの(9)

清少納言先生:はい、すさまじきもの、これが最後になります。

舞夢    :それでは、現代語訳します。


婿君を迎えて、四、五年経つまで、子供に恵まれず出産祝いをしない家も、本当に味気ない。

普通なら、一人前になった子供が何人もいるとか、もっと言うと孫がいて這いまわっているような年齢の親が、昼寝をしている時。

子供としては、親が昼寝をしている時は、寂しいし、面白くないものです。

師走晦日の夜。一寝入りしてから浴びる日の光は、つまらないどころか、腹も立つ。

十二月末日の降り続く雨、こうなると「一日限りの精進潔斎」かもしれない。


清少納言先生:はい、お疲れさまでした。

舞夢    :なるべく早く結婚して、子供が生まれた方がいいと・・・ですね。

清少納言先生:まあ、それぞれ事情はあるんでしょうけれどね。

舞夢    :人生にも適した時期があると、いう意味なんですね。

清少納言先生:子供が親に遊んでほしい時に、疲れて寝ているような親だとね。

舞夢    :大晦日のところは、よくわかりません。

清少納言先生:雨が降って出かけられないから、精進潔斎っていうの。

舞夢    :今は、ほとんどしないですね、お昼寝も滅多にしない。

清少納言先生:夜は?

舞夢    :寝ています・・・

清少納言先生:お昼寝しなさい、後は夜中に講義しましょう。

舞夢    :枕草子ですか?

清少納言先生:さて・・・枕には関係するかな・・・意味わかる?


風俗の平安期と現代の違いもあり、納得できるものと、実感が全くないものがあったのは事実。

「すさまじき」その言葉の意味そのものが、現代のそれとは異なる。

最適の時期をはずれたもの、場にふさわしくないもの、そういう意味らしい。

確かに「旬」をはずしたものは、味気ないものだ。


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