第31話すさまじきもの(4)

清少納言先生:はい、続きをお願いします。

舞夢    :続けます。


また、せっかく家に迎えた婿君が寄り付かなくなった時は、ほんとうにがっかりです。

より立派な家柄で宮仕えをする女性に婿君を奪われてしまって、娘ががっかりと自分を責めている姿など、ほんとうにやるせない。

乳飲み児の乳母が「ほんの少しの間」と言って出かける時に、乳児も心配なので「早く帰ってきてほしい」と、外出を許可したのに、「今日は絶対に帰れません」などと、強情な返事が来た時などは、がっかりもするし、憎らしいとも思うし、何より乳児に対して、打つ手がない。

愛する女性を妻として迎えておきながら、家を出られてしまった男は、乳母の時以上に、どういう気持ちになるんでしようね。

男をずっと待っている女の所に、夜が更けてから、周囲を気にしたのか、そっと門を開ける音がして、家の者にドキドキして声をかけさせたら、どうでもいい人の名前のことがあって、そういう時はほんとうにがっかり、そのがっかりも、言い足りないくらいです。


清少納言先生:はい、お疲れさま

舞夢    :うん、わかりやすい・・・確かにがっかりします。

清少納言先生:通ってくる男君ではなくて、家に迎えた男君でもいなくなりからね。

舞夢    :誘惑も多いんですかねえ、宮中は。

清少納言先生:それもあるけれど、来なくなるとねえ・・・

舞夢    :乳児はかわいそうです。

清少納言先生:ちょっとした女同士の喧嘩が原因かなあ、女同士は怖いよ。

舞夢    :それでもねえ・・・


まあ、人間関係って、一旦すれ違うと、ずっと続くのかなあ。

でも、大人はいいけれど、乳児はかわいそうでならない。

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