第29話すさまじきもの(2)

清少納言先生:それでは続きをお願いします。

舞夢    :了解しました。


田舎から寄越した手紙に、贈り物が添えられていない時。

都からの手紙に贈り物が添えられていない時も同じです。

ただ、都からの手紙の場合は、田舎ではわからないような情報が様々入るので、手紙だけでも十分かもしれない。

誰かの所に、本当に綺麗に書いた手紙の返事を、首を長くして「少し遅い」などと待っているところに、届けたはずの手紙を持ち帰り、立文にしろ結び文にしろ、汚してしまい、きちんと折ってあったはずなのに、けばだたせてしまうとか、表紙に引いてあった封緘の墨の線も見えなくしてしまい、「ご不在でした」とか「物忌み」などと言われると、本当にがっかりする。


清少納言先生:はい、御苦労さま。

舞夢    :田舎と都の手紙は、まあ、わかるような気もします。

清少納言先生:都の情報は、田舎にとっては宝物なの、田舎の情報は正直いらない。

舞夢    :先生は都会派ですしね。

清少納言先生:手紙の持ち帰りは、実例があります。

舞夢    :期待を裏切られたということで、興ざめ、がっかりですね。

清少納言先生:また。手紙の書きなおしですしね。

舞夢    :ああ、それも無粋ですねえ・・・


清少納言先生は、ここで姿を消した。

しかし、清少納言としての、「本音」をズバリ書いてある。

それは善悪ではなくて、そういう「本音」なのである。

それが、心地がよくなってきた。

少しずつ、清少納言先生の世界にはまってきている。

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