第26話 光と闇の承
起。
俺の名前は、光リエ(ヒカル・リエ)。女の名前だが、れっきとした男である。
「女の子が欲しかった!? 男の子が生まれたら、男の子の名前をつけやがれ! 小さい頃から、「リエちゃん? え!? 女の子と思った!」とか、好きな女の子に告白をしては、「私、女の子の名前の人とは付き合えません!」とか、そんなことばかりだ!? 俺の人生で楽しいことなんて、やって来ないんだ!」
と、思いつめ、学校の屋上から飛び降り自殺を図ったのだが、不幸な俺は死ぬことすら許されなかった。そんな俺の前に、レンタル福の神という、偉そうなでキチガイな女が現れ、不幸を幸福に変えるという。俺は、福の神に憑りつかれてしまった。福の神のおかげで、俺にも久野文香という彼女もできた。そして、俺の不幸との戦いが始まった。「貴様の不幸、私が頂こう。」あ~ん、パク、モグモグ、ゴックーン「おいしい!」「ほんとに食うな!」俺の生死の不幸はおいしいらしい!?
富士山が大爆発を起こすという、大不幸から人々を守ることができた。俺と福の神だけでの作品としての形もでき、後は舞台を変えても永遠に続けられる所まできてしまった。ということで、新キャラクターを登場させ、作品の世界を拡げる所まで来た。新キャラ以外は、過去作から再登場という形になる。第1号が地味な佐藤さん。第2号がスケバン・気づかい・猫の3人組。
不幸を呼び寄せる俺は、ついに不幸な神まで呼び寄せた。闇エリ子に憑りついていた貧乏神が俺に乗り移ったが、俺の不幸は貧乏神の貧乏という不幸すら吸収しようとする恐ろしさだった。やっぱり不幸な俺に耐えれるのは、福の神しかいないのだった。
先に先に進めようとすると、進むが頓挫するので、ここで闇エリ子こと、闇エリと貧乏神サイドを書いてみよう。これがアニメとは違う、小説の良い所だ。なんと闇エリは、親の貧乏神を誕生日プレゼントのお人形さんのエリザベスとして、なすりつけられたのだった!? お人形さんの正体が、私の幸福を食べる貧乏神と知ってしまい、貧乏神のエリザベスに憑りつかれた私との、ステキな共同生活が始まり、高校にも合格することができたのだ。闇エリは、女子更衣室で俺に裸を見られたことを怒っていた!?
なんにせよ、これで光と闇が揃うことになったのだった。しかし2人は出会いは最悪だし、仲は悪そうである。なのにクラスでは2人は付き合っていて、彼氏彼女だという噂で盛り上がっていた。光と闇・・・売れ筋に持っていけるストーリーが考えられるのだが、それでは今、書籍化やアニメ化されている作品と変わらないような? 教えて編集さん!
承。
「こら! 変なことを言うな!」
「変なこと?」
「私とおまえが付き合ってると、嘘をばらまくな!」
「ああ、そのことか。それならもう・・・手遅れだ!」
「なんだと!?」
「もうすでに、学校公認のカップルだ!」
「おめでとう! リエちゃん! おめでとう! エリちゃん!」
「い、いつの間に!?」
「ということで、おまえは俺の彼女だ! ワッハハハハ!」
「勝手に彼女にするな!?」
光と闇が盛り上がっている。
「いや、貧乏神さん、お茶をどうぞ。」
「ありがとうございます。貧乏神なんて他人臭い、エリザベスと呼んで下さい。」
「そお? じゃあ、エリザベス。」
「は~い。よかったら福の神さんも、ようかんをどうぞ。」
「ありがとう。私も福ちゃんでいいよ。」
「福ちゃん、いっぱい食べてね。」
「うん、モグモグ、おいしい。」
福の神と貧乏神は仲良しになっていた。
転。
「あなたね、不幸を呼ばないでよね!」
「そっちこそ、俺から幸せを奪うな!」
「私の不幸は全部あげるわよ!」
「いらん! 俺の幸せを返せ!」
仕組みは、こうだ。100円玉が俺の方に転がって来る。しかし、100円玉は向きを変え、闇リエ子の方に転がっていく。俺の幸せは、風のように去って行った。
やったね! と闇リエは喜んでいた。
「ところで福ちゃん。」
「なんだい、エリザベス。」
「不幸を呼び寄せる者と、幸福を呼び寄せる者が付きあったら、どうなるんだろう?」
「100とゼロのゲームだね。」
「かわいそうな、福ちゃんの憑りつき先の人。」
「でも、不幸になってくれれば、私は、お腹いっぱい不幸を頂くことができるから、うれしいよ。」
「そういうことなら、私もリエちゃんが幸せな方が幸福をいっぱい食べられる。」
「私たちは問題ないね。」
「ね~。」
結。
「ああ~なんか、やり取りに疲れてきたぞ。」
「私も・・・。」
「光と闇が一緒になれるはずがないんだ・・・。」
「リエエリ、エリリエ・・・なにか変ね。」
「リを一つ取ったらどうだろう?」
「リエリ、エリエなら、いい感じね。」
「本当だ。」
「ワッハハハハ!」
雨降って地固まる!?
「エリザベスちゃん、光と闇が仲良くなっちゃった場合はどうなるんだろう?」
「リエくんに向けて転がっていた100円玉が、エリちゃんに向きを変え、100円玉はエリちゃんがゲット! そして、その幸福を私と半分こ。その半分をえりちゃんがリエくんに半分こ。リエくんに幸福がやって来るので、福ちゃんが食べる不幸が半分こ。」
「食い分が減るのは困る!?」
「そっちか!」
「100円を4人で割って、一人25円分の幸福と不幸を得るということになりますね。」
「パチパチパチパチ! よくできました!」
「いやあ~、それほどでも。」
「照れなくていい。」
みんな仲良しということで。
つづく。
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