第27話 光と闇の転

起。


俺の名前は、光リエ(ヒカル・リエ)。女の名前だが、れっきとした男である。


「女の子が欲しかった!? 男の子が生まれたら、男の子の名前をつけやがれ! 小さい頃から、「リエちゃん? え!? 女の子と思った!」とか、好きな女の子に告白をしては、「私、女の子の名前の人とは付き合えません!」とか、そんなことばかりだ!? 俺の人生で楽しいことなんて、やって来ないんだ!」


と、思いつめ、学校の屋上から飛び降り自殺を図ったのだが、不幸な俺は死ぬことすら許されなかった。そんな俺の前に、レンタル福の神という、偉そうなでキチガイな女が現れ、不幸を幸福に変えるという。俺は、福の神に憑りつかれてしまった。福の神のおかげで、俺にも久野文香という彼女もできた。そして、俺の不幸との戦いが始まった。「貴様の不幸、私が頂こう。」あ~ん、パク、モグモグ、ゴックーン「おいしい!」「ほんとに食うな!」俺の生死の不幸はおいしいらしい!?


富士山が大爆発を起こすという、大不幸から人々を守ることができた。俺と福の神だけでの作品としての形もでき、後は舞台を変えても永遠に続けられる所まできてしまった。ということで、新キャラクターを登場させ、作品の世界を拡げる所まで来た。新キャラ以外は、過去作から再登場という形になる。第1号が地味な佐藤さん。第2号がスケバン・気づかい・猫の3人組。


不幸を呼び寄せる俺は、ついに不幸な神まで呼び寄せた。闇エリ子に憑りついていた貧乏神が俺に乗り移ったが、俺の不幸は貧乏神の貧乏という不幸すら吸収しようとする恐ろしさだった。やっぱり不幸な俺に耐えれるのは、福の神しかいないのだった。


先に先に進めようとすると、進むが頓挫するので、ここで闇エリ子こと、闇エリと貧乏神サイドを書いてみよう。これがアニメとは違う、小説の良い所だ。なんと闇エリは、親の貧乏神を誕生日プレゼントのお人形さんのエリザベスとして、なすりつけられたのだった!? お人形さんの正体が、私の幸福を食べる貧乏神と知ってしまい、貧乏神のエリザベスに憑りつかれた私との、ステキな共同生活が始まり、高校にも合格することができたのだ。闇エリは、女子更衣室で俺に裸を見られたことを怒っていた!?


なんにせよ、これで光と闇が揃うことになったのだった。しかし2人は出会いは最悪だし、仲は悪そうである。なのにクラスでは2人は付き合っていて、彼氏彼女だという噂で盛り上がっていた。光と闇・・・売れ筋に持っていけるストーリーが考えられるのだが、それでは今、書籍化やアニメ化されている作品と変わらないような? 教えて編集さん!


光と闇のカップル誕生!? 2人の間を取り持つのは、福の神と貧乏神!? なんちゅう展開になってしまったんだ・・・。ラブコメにはなるね!


承。


「ねえ、何て呼べばいい?」

「リエちゃんは、女みたいな名前だから嫌だな。やっぱり光、光くん、若しくはヒカルリエ・・・彼女には、光くんて呼ばれたいかな。」

「じゃあ、光くんって呼ぶわね。」

「ありがとう。エリちゃんでいいのかな?」

「いいよ。子がダサいから、子だけ抜いて、闇リエでもいいわよ。」

「きっと将来、闇リエっていうワードは活用される可能性があるから、シンプルに、エリちゃんて呼ぶね。」

「わかったわ、光くん。」

「エリちゃん。」


カップルが誕生するのは、なんて素晴らしいんだ!


「エリザベス、これで私たちが仲良くなっても怒られないね。」

「福ちゃん、これからも仲良くしてね。」

「わ~い!」


お友達ができるって、なんて素晴らしいんだ!


転。


「ねえ、福ちゃん。」

「なに? エリザベス。」

「このお話は、福ちゃんが不幸を食べるのが面白かったのよね?」

「そうだよ。」

「どんなに大きな不幸がやって来ても、リエ、エリが彼氏彼女になってしまったら、見事に不幸も、幸運も中和してしまったんだけど、これからどうなるんだろう?」

「ほんとね~、個性が死んじゃったよ。」

「エリちゃんが彼女になったら、私たち、もう触られないよ!?」

「それは困る!」


読者サービスが・・・。


「あいつらは何を言ってるんだ・・・。」

「もう次の段階に入っているのにね。」


要するに、純粋な不幸を食べるのは、海と山を変えて内容が同じの繰り返しになる所まできた。


結。


「もう不幸を食べるのは、小ネタにしかならないんだ!」

「ちょっと待て! 貴様と絡むのは、久しぶりだ。もう少し、低いテンションから始めてくれないか?」

「ごめん・・・それでは気を取り直して、不幸を食べるのは、小ネタにしかならないんだ。」

「なんだって!?」

「だから福ちゃんが、不幸を食べるのは、冒頭のツカミに認められたってことさ! おめでとう!」

「なんかよくわからんが、ありがとう!」


不幸を考える所から、物語を考えよう。


「エリザベス、これからは私に来る幸福も少なくかもしれないわよ?」

「ええ!? いっぱい幸せを食べたいな。」

「ごめんなさい。」

「エリちゃん、謝らないで、4人で仲良くやっていくためだもん、私も我慢するよ。」

「ありがとう。エリザベス。」

「でも、エリちゃん、今後、このお話はどこへ行くの?」

「せっかく光と闇が途中から揃って、カップルになっちゃったんで、その辺を活用していくのよ。ゾロゾロ新キャラが量産体制よ。」

「分かりやすい。」


とのことである。


つづく。






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る