第25話 光と闇の起

起。


俺の名前は、光リエ(ヒカル・リエ)。女の名前だが、れっきとした男である。


「女の子が欲しかった!? 男の子が生まれたら、男の子の名前をつけやがれ! 小さい頃から、「リエちゃん? え!? 女の子と思った!」とか、好きな女の子に告白をしては、「私、女の子の名前の人とは付き合えません!」とか、そんなことばかりだ!? 俺の人生で楽しいことなんて、やって来ないんだ!」


と、思いつめ、学校の屋上から飛び降り自殺を図ったのだが、不幸な俺は死ぬことすら許されなかった。そんな俺の前に、レンタル福の神という、偉そうなでキチガイな女が現れ、不幸を幸福に変えるという。俺は、福の神に憑りつかれてしまった。福の神のおかげで、俺にも久野文香という彼女もできた。そして、俺の不幸との戦いが始まった。「貴様の不幸、私が頂こう。」あ~ん、パク、モグモグ、ゴックーン「おいしい!」「ほんとに食うな!」俺の生死の不幸はおいしいらしい!?


富士山が大爆発を起こすという、大不幸から人々を守ることができた。俺と福の神だけでの作品としての形もでき、後は舞台を変えても永遠に続けられる所まできてしまった。ということで、新キャラクターを登場させ、作品の世界を拡げる所まで来た。新キャラ以外は、過去作から再登場という形になる。第1号が地味な佐藤さん。第2号がスケバン・気づかい・猫の3人組。


不幸を呼び寄せる俺は、ついに不幸な神まで呼び寄せた。闇エリ子に憑りついていた貧乏神が俺に乗り移ったが、俺の不幸は貧乏神の貧乏という不幸すら吸収しようとする恐ろしさだった。やっぱり不幸な俺に耐えれるのは、福の神しかいないのだった。


先に先に進めようとすると、進むが頓挫するので、ここで闇エリ子こと、闇エリと貧乏神サイドを書いてみよう。これがアニメとは違う、小説の良い所だ。なんと闇エリは、親の貧乏神を誕生日プレゼントのお人形さんのエリザベスとして、なすりつけられたのだった!? お人形さんの正体が、私の幸福を食べる貧乏神と知ってしまい、貧乏神のエリザベスに憑りつかれた私との、ステキな共同生活が始まり、高校にも合格することができたのだ。闇エリは、女子更衣室で俺に裸を見られたことを怒っていた!?


なんにせよ、これで光と闇が揃うことになったのだった。しかし2人は出会いは最悪だし、仲は悪そうである。


承。


「おはよう。」

「・・・。」


俺は学校に登校中に、闇リエとエリザべスを見つけたので、挨拶をした。しかし、返事は返って来なかった。


「おはよう、どうしたの?」

「おはよう、エリちゃんは女の子の名前の男が嫌いなんだって。」


神同士、福の神と貧乏神は友達になれた。


「おい、無視するなよな。」


俺は闇リエ子の肩を掴んだ。彼女は、こちらを向いた。


「触るな! 変態野郎!」

「な、なに!?」

「おまえが近づくと、私にまで不幸がやってくる。」

「なんだと!?」

「離れろ! オカマ、男女、覗き、変態、セクハラ、神ハラ野郎!」

「・・・。」


ガーン! そんなに言わなくても・・・。


転。


「そんなに俺の不幸はなの?」

「そうだな、私は貴様のおかげで不幸に食いッぱぐれない。」

「俺に近寄ってくれるのは、福ちゃんだけだよ。ペチャ。」

「だからって、私に触るな! この神ハラ野郎!」

「ギャア!」


神ハラ・・・神に対するセクハラである。


「罰として、ちょっとの間、貴様の不幸は食べない。」

「うわぁ!? 空から、ミサイルが!? 地面に穴が空いた!? ポケットに穴が!? 財布を落とした!?」

「はぁ~、私がいないと、なんて不幸な奴なんだ。」


好きで不幸をやっている訳だはない。


「エリちゃん、見てると楽しいよ。」

「関わりたくない。」

「あ、目の前に財布が落ちてる。」


財布には、俺の名前が書いていた。


「あれ? 拾わないの?」

「関わりたくない。」

「私、お金を拾うという幸福を食べたいな?」

「中身は、どうせ500円以下よ。それなら・・・。」


闇リエは、道端に設置されている、ジュースの自動販売機に手を触れた。バタバタバタと自動販売機からジュースの缶が大量に出てきた。


「すごい! さすがエリちゃん!」

「好きなだけ幸福を、お食べなさい! 私はエリザベスがいる限り、幸福を呼び寄せるのよ。小銭の財布なんて要らないわ!」

「ゴクゴク。おいしい!」

「これが正しい、幸福の使い方よ!」


ちょっと違う気がする。


転。


「ねえねえ、2人は付き合ってるの?」

「え?」


学校についた私は、見ず知らずの女生徒たちに囲まれた。


「闇さんは、リエちゃんと付き合ってるの?」

「彼氏? 彼氏?」

「カップル誕生ね!」

「え!?」


男女の高校生が少しでも会話をすれば、周りは付き合ってると思う。


「朝からラブラブね!」

「肩に手なんか触れちゃって!」

「自販機のジュースもおいしかったわ!」

「え!?」


こいつらは芸能レポーターである。何から何までチェックしているのだ。


「違う! 私は誰とも付き合っていないわよ!」

「でも・・・。」


女子高生たちは、俺を指さす。


「バレた、俺と闇さんは付き合ってるんだ。」

「おお! 彼氏彼女ということですね!?」

「そういうことになるかな。」

「おめでとう! 女の名前でも彼女ができたんだね!」

「ありがとう!」


あっちではヒーローインタビューが行われていた。


「巻き込まれた!?」

「巻き込んでやる!」


こうして、光と闇のカップルが誕生した!?


つづく。







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