第24話 闇エリ子の結

起。


俺の名前は、光リエ(ヒカル・リエ)。女の名前だが、れっきとした男である。


「女の子が欲しかった!? 男の子が生まれたら、男の子の名前をつけやがれ! 小さい頃から、「リエちゃん? え!? 女の子と思った!」とか、好きな女の子に告白をしては、「私、女の子の名前の人とは付き合えません!」とか、そんなことばかりだ!? 俺の人生で楽しいことなんて、やって来ないんだ!」


と、思いつめ、学校の屋上から飛び降り自殺を図ったのだが、不幸な俺は死ぬことすら許されなかった。そんな俺の前に、レンタル福の神という、偉そうなでキチガイな女が現れ、不幸を幸福に変えるという。俺は、福の神に憑りつかれてしまった。福の神のおかげで、俺にも久野文香という彼女もできた。そして、俺の不幸との戦いが始まった。「貴様の不幸、私が頂こう。」あ~ん、パク、モグモグ、ゴックーン「おいしい!」「ほんとに食うな!」俺の生死の不幸はおいしいらしい!?


富士山が大爆発を起こすという、大不幸から人々を守ることができた。俺と福の神だけでの作品としての形もでき、後は舞台を変えても永遠に続けられる所まできてしまった。ということで、新キャラクターを登場させ、作品の世界を拡げる所まで来た。新キャラ以外は、過去作から再登場という形になる。第1号が地味な佐藤さん。第2号がスケバン・気づかい・猫の3人組。


不幸を呼び寄せる俺は、ついに不幸な神まで呼び寄せた。闇エリ子に憑りついていた貧乏神が俺に乗り移ったが、俺の不幸は貧乏神の貧乏という不幸すら吸収しようとする恐ろしさだった。やっぱり不幸な俺に耐えれるのは、福の神しかいないのだった。


先に先に進めようとすると、進むが頓挫するので、ここで闇エリ子こと、闇エリと貧乏神サイドを書いてみよう。これがアニメとは違う、小説の良い所だ。なんと闇エリは、親の貧乏神を誕生日プレゼントのお人形さんのエリザベスとして、なすりつけられたのだった!? お人形さんの正体が、私の幸福を食べる貧乏神と知ってしまい、貧乏神のエリザベスに憑りつかれた私との、ステキな共同生活が始まり、高校にも合格することができたのだ。


承。


「エリちゃん、この高校に福の神がいるよ。」

「なに!? 福の神だと!?」


私が貧乏神と幸福を分け合って暮らしているというのに、福の神と幸せに暮らしているやつがいるというのだ。


「エリザベス、どいつだ! 福の神は!?」

「あいつ。」

「え・・・。」


私は見た。冴えなさそうな男に、空から槍が降ってきたリ、空からUFOが降ってきたリ、空から隕石が降ってくるところを・・・。


「エリザベス、嘘は良くないな。あれのどこが福の神が憑りついているんだ!?」

「ほんとだよ!? よ~く考えて、エリちゃんは貧乏神の私が憑りついているから、幸福が集まって来て、幸せを私に食べられる。ということは?」

「ということは・・・福の神に憑りつかれた人間は不幸が集まって来て、不幸を福の神に食べられる。ということよ。」

「そんな福の神! いらない!!!」


名前がおかしいのか? 設定がおかしいのか? 


転。


「よく見れば、あいつは!?」

「エリちゃん知ってるの?」

「男のくせに女の名前、光リエ。変態野郎さ!」


誰が変態だ!


「そういえば女の子にも見えないような、見えるような。ちょっとカワイイ。」

「オカマ、男女・・・とにかく、元は男だから変態ね!」

「残念! 変態だね!」


納得するな!


「私、エリザベスに幸福を食べられちゃうでしょ? だから福の神に憧れていたんだけど・・・。」

「福の神の方がいいんだ・・・。しょぼん。」

「違う! 違う!」

「え!?」

「あんなに不幸が集まって来る、福の神なんていらないわ。」

「エリちゃん!」

「私には、エリザベスだけよ!」

「エリちゃん大好き!」

「わ~い!」


エリとエリザべスのエリエリコンビであることに気づいた。


結。


「あ~、私の胸はCカップか、半分、エリザベスに持っていかれてるもんね。」

「ごめんね、エリちゃん。」


その時だった。女子更衣室に乙女の悲鳴があがる。


「キャア! ゴキブリ! リエちゃん、ゴキブリを退治して!」

「おお! 任せとけ!」


変態のリエちゃんが、本当の変態になってやってきた。しかし、殴られるどころか、ゴキブリを退治した英雄になっている。


「なぜ!? どうして!? 私のCカップを見たのに、許せない!?」

「神ハラね!」

「神ハラ!?」

「あの不幸な男の頭に、福の神がベタベタ体とくっけています。そうすることによって、女子更衣室に覗きに来て、女子生徒たちから、ボコボコにされるという不幸から一時的に遮断されているのよ。」

「なんという悪行!? 私が貧乏神との共同生活にも耐えているというのに!

「そんな言い方をしなくても・・・。」

「人間へのセクハラだけでは、物足らず、神の体にまで触れ、神ハラをするとは、なんて変態野郎なの! 許せない!」

「裸を見られたのを怒ってるんでしょ?」

「あの変態野郎に、うちのエリザベスが、どれだけ貧乏なのか、思い知らせてやるわ! 貧乏のどん底に叩き落してやる! ワッハハハハ!」

「エリちゃん怖い・・・。」


俺は、その後、福ちゃんが離れた後に、女子生徒から、ボコボコにされた。


つづく。


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