第10話 10 現実にお買い物
ブッコが眠っている間に、説明しよう。
「紫式部子、あだ名を、ブッコ。」
ブッコが手に入れた、レアな着ぐるみパジャマは、109が「渋谷EEGgames」に参入した記念のガラガラ抽選会の目玉商品である。109用の特別な着ぐるみパジャマである。
「白うさぎの着ぐるみパジャマ。」
特に強くもない初期配布アバター、うさぎの着ぐるみパジャマ、ブッコは名前を「うさピョン」と名付けた。当初、レアな着ぐるみパジャマとして、黒うさぎの着ぐるみパジャマを想定していた。「白うさぎ」から「黒うさぎ」にパワーアップするのだ!
「しかし、それだけで楽しいのか?」
という観点から、中止。
せっかくお名前を借りている「109」にもお礼ができるようにと考えて、ベースは白いうさぎの着ぐるみパジャマ「うさピョン」のままにして、109で売っていそうな、今の流行、売りたい商品、お客様が欲しい、買いたい商品をうさピョンに装備させることにした。
「当たれ! 福袋~♪」
今の時期は、お正月の福袋の予約が勝負の時期であるので、スペシャルウエポン「キパゲマ」として、福袋を採用。109、売り切れが多くてビックリした。作者は男性なので、横を通っても、中に入ることはない。
「やった! 今日ボスを倒した~♪」
このブッコの最新ファッションの流行を装備した着ぐるみパジャマの活躍は、プレイヤーは観戦モードで、世界中の人々は動画で配信され、誰でも見ることができる。そして、その画面では、かっこよく戦っている、うさピョンが装備している商品を、ネット通販として買うことができるのだ。
「SOLD OUT」
ブッコのうさピョンが装備していたアイテムは、ミリタリージャケット、ショートパンツ、ネックレス、靴下、ブーティは、全世界から「着ぐるみパジャマがオシャレ~♪ カワイイ~♪」と注文が殺到し、ネットがパンクした。各商品の在庫1万個を、あっと言う間に全て完売させた。
「売り上げは、1日で4億円」
ブッコが戦っている画面に、広告バナーが入る。109は、独自に尻尾に109のロゴを入れた、「渋谷EEGgames」の初期アバター、うさぎの着ぐるみパジャマのカワイイぬいぐるみの予約を開始した。1個4000円で、注文数を、10万個を上限にしていたが、ネットなので世界中から注文が集まり、ぬいぐるみの予約も1瞬で完売した。数分で4億の売り上げを達成したのである。ブッコの装備した流行ファッションと合計すると、1日で約6億の売り上げを達成したのである。
「zzz~♪」
結論、ブッコが手に入れた、109の特製のレアな着ぐるみパジャマは、レアというよりも、「渋谷EEGgames」のネット販売の実験用、プロトタイプな着ぐるみパジャマだったのだ。
つづく。
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