第拾伍宴
──微睡みの底──
そこはボクが気がついたらよくいる場所。何で、そこに居るのかは分からないし、知らない。
ボクはよくここで
今まで何人壊して、その骨を喰らってきただろう? 今まで一体幾つの恨み辛みを買ってきただろう?
ここはボク以外誰も存在してなくて。だから不意に怖くなるんだ、とうとう捨てられたんじゃないかって。世界に、拒絶されたんじゃないかって。
拒絶されるのは、慣れてる。嫌われるのも、恨まれるのも、厭われるのも、何もかも。
だけどね? やっぱりボクは怖いみたいだ。傷つく意味も無いクセして、怖いみたいなんだ。
──…オカシイかな? ボクみたいな狂人が、怖いなんて思うのは……
「ひがっちゃんから何処まで聞いているの?」
「え、と…過去を少しだけ」
「そう……じゃあひがっちゃんの能力の事とかは、聞いてない訳ね?」
「はい、そうなります」
「ひがっちゃんは自分の事は隠す事が多いからね……」
「過去と言ってもさわりだけでしたけどね? 菱垣さん、僕には殆ど教えてくれないですから……」
「いや、アナタだけじゃないわ。ひがっちゃんはほぼ鳴獅君以外には真相を明かしてないのよ」
「えっ……」
癒斬邑はそう前置きして、菱垣さんの事を語り出した。……くまのぬいぐるみを抱き抱えながら。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます