第三章 夢一夜〜ゆめひとよ〜

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武人の想いを知った神の子は、彼の懸想人けそうにんのもとを訪れ、彼女も同じ想いであることを知る。

しかし、彼女も、今生では決して彼と結ばれることはないと涙した。

そして、いつの世か生まれ変わり、再び出会える日を月に祈るのだった。


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第三章 夢一夜〜ゆめひとよ〜



君に届けしこの声は

悠久の時を越え

山河さんがをさまよう



愛を語りしその声は

言葉ことのはとなりて

闇に散る



この世で果たせぬ想いなら

輪廻りんねの渦に身をまかせよう

君と手と手を結べる

その日まで



あまかける鳥のよに

この身に翼があるならば

今すぐ飛び立とう

君のもとへ



されど今日もひとり

月を見上げし夜は

千年の時にも等しく

頬つたうは涙



せめて夢一夜ゆめひとよ



たとえ姿は異なれど

この世の鎖をひきちぎり

愛しき君といつの日か



ああ せめて夢一夜



愛しき君といつの世か

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