第二章 乱舞

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苦しんでいるのは民だけなのか?

そんな疑問を抱いた神の子は、楽団の一員となって、ある貴族の屋敷へ出入りし始める。

そこで出会った若き武人は、死を覚悟した戦に旅立とうとしていた。

そんな彼は、この屋敷の姫君に密かに想いを寄せていた。


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第二章 乱舞



砂を巻き上げ吹き抜ける風よ

伝えて欲しい

愛しき君へ


熱き想いは胸を焦がし

やがてこの身も焼き尽くすだろう

変わり果てた私の前で

君は涙を流してくれるだろうか



花のように微笑む君を

ただ守りたかった

散らされるくらいなら

穢されるくらいなら

いっそ蕾のままで



咲き乱れよ

愛しき人よ

罪なほどに美しく

哀しいほど華やかに



そしていつか思い出して欲しい

君を愛した男のことを



花のように微笑む君の

ただそばで笑っていたかった



苦しめるだけなら

悲しませるだけなら

このまま名乗らぬままで



咲き乱れよ

愛しき人よ

花弁のようなその唇に

触れることさえ叶わなくとも



そしていつか思い出して欲しい

君を愛した男のことを

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