第6話 幕間 私の気持ちと私の・・・

「私と付き合ってください。」


そう私は同じクラスの山本 春彰に告白した。


私、宮園加恋は告白するなんてことは私は一度もしたことがない、もっぱら告白してくるのは馬鹿なオスとまれにメスでありはっきり言って虫唾が走る思いがした。

私は人間が嫌いだ、その中でもオスが最も嫌いな生き物だ。

だが私は馬鹿ではない、物心がつくのが早かった私はそういった気持ち一切を隠し周りと合わせるという演技を完璧に行い、これに気付いている人間はいないと思うし、ばれたとしてもどうでもいいと思っている。


私は両親の遺伝の影響だと思うが他の人間に比べ顔の出来が良く、体形なども標準などに比べいい部類に入るだろう。そして勉強やスポーツなどもあまり目立たないぐらいにやった。

その影響であろうか私が好きだといってくるオスが後を絶たずに、本当に怖気が走った。


だから私はそのオスの中でも一番カッコよく、人気があるものと付き合ってやることにした。

といってもそれは周りへの対応のためであり、実際にデートや一緒に帰ってやるなどはしたことがない。


しかしそういったことに納得がいかなかったオスは、デートなどをしてくれと迫ってくる。

想定していたがホントに虫唾が走り、この時ほど人間に生まれてきたことを後悔したことはない。

だから私は、こういったことも想定し彼に関する数々の弱みを突き付けながら、生まれてきたことを後悔するぐらいになじり、今回のことをバラせばどうするかわからないといった風なことを言ってやった。


そのオスは私がそんな風に言うと思っていなかったのか、最初は放心しそして最後の方は泣きながら謝っていた、だがその姿にも私は怖気が走った。


その後は観察のため(ばらされてもかまわないが一応努力の結果であるため面倒には巻き込まれないために)と、対人関係のために付き合ったふりをし、そのオスが私のことをばらさないと分かったころそのオスが別れを切り出した事にして別れた。


それで今回山本春彰に告白した経緯だが、私にも不可解だった。

山本春彰は同じクラスにいるただのオスだったのだが、なぜか突然最近になってから山本春彰について気になり始めた。

これはあり得ないことだった、生まれてから一度も肉親でさえも嫌悪の対象であり人間のそれもオスを好きになるなどといったことは絶対にあってはならないことであった。


だから私は考えた、これは私の問題ではなく山本春彰にこそこの問題の原因があるのではないかと。

そうして色々調べてみると、周りのメスも同じように好感を持っていることが分かった。

あるメスの言ではこうである。


「なんか最近、山本君変わったと思わない?なんかさ、見ているとかわいいなぁとか守ってあげたくなるみたいなそんな感じになるんだよねぇ。」


との事である。

なんとなくその気持ちがわかってしまった。そうわかってしまったのだ。

だから私は山本春彰の異常性の原因を調べるために接触することにする、詳しく調べるためにも彼女としての役柄がちょうどいいだろうとの結論に達する。


だから私は告白したのだ、私の外見で告白を断れるオスはいないだろうと思う。

案の定断られなかった私は、次の行動をとる。


観察と実験だ。


こうして私は山本春彰と付き合うことになったのだ。

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