第5話 決意と行動
僕は宮園さんと出て行ったあと、父さんが来るまで眠った。
そして次の日に医者からけがは大したことはないが頭を打っているため、検査入院という形で一週間ほど病院にいたほうがいいということになった。
病院での生活は特に問題になるようなことはなかった、看護師さんが包帯を交換してくれる時にもしかして爆発が起こるかもしれないと緊張したものの、ちょっと触れるだけなら問題ないのか、とくに問題なく一週間の病院生活を送った。
そんな生活の中で僕が考えていたのは、呪いのこと、爆破してしまった女のひとのこと、そして宮園さんのことだった。
呪いのことはすごく怖いが何とか実験しなければいけないと思う、それかルージュに聞いた方がいいように思うけどどこまで知っているのかはよくわからない。
爆破してしまった女の人については名前も分からないし、どんな顔かもよく覚えていないので彼女に関して僕にできることはほとんどない。
宮園さんについてははっきり言って自分でも早急に別れた方がいいと思っている、それが彼女のためでもあり自分のためというのはわかりきっている、でも僕は踏ん切りがついていない。
理由なんて決まっている、僕がただ臆病なだけだ。宮園さんは心の奥底では何を考えているのかわからないでも表面上は優しくしてくれるしあんなかわいい子付き合えていることがうれしい自分もいる。
それでもやっぱり別れ話をするべきだと、薄っぺらい決意を固める。
そんなことを考えながら病院生活を送り、今日は学校に出てきている。
出てきた学校は特に変わったことはなかった、友達はいつも通りだし宮園さんもいつのも友達と話していた僕と付き合っているということはみんな知らないようだった。
変わったのは僕だけなんだろう、今は教室にいるのはとても居心地が悪い。呪いのせいで誰かに触られそうになるたびに体をびくつかせ、話しかけられるたびに階段での事を聞かれるんじゃないかと、女性を爆破してしまったことを問い詰められるのではないかと疑心暗鬼になっている自分がいる。
そして神様の祝福の影響かわからないが、やたら女子に話しかけられることが多くなっていた、以前なら嬉しかったのだろうが今では少し怖い。
彼女たちは僕が好きで近づいているわけではなく、ただ意味不明な祝福の影響でそうしているだけだと思うと何か薄気味が悪かった。
僕は薄っぺらい決意のために行動することにする。
彼女、宮園さんに別れ話をしようと思う、どんな風に話すかなどは特に決めなかったというか何を言えば納得してもらえるかなど僕にわかるはずもない。
ただ当たって砕けろで行動するしかない、それだけは確かだ。
僕は彼女に放課後話がしたいので会いたいと、携帯でメッセージを送る。
するとものの数秒で返信が来る、放課後に僕もよく知っている近くの公園でも大丈夫かという内容の返信だった。
僕はなぜ公園か不思議に思いながらも、ここまで来たからには引き返せない、わかったと返信する。
何かとてつもなく嫌な予感がする、それでも僕は薄っぺらい決意でも決めたからには行動する。
だけど足はとてつもなく震えていた。
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