第2話 ケーキ②
前に座るねーちゃんがまた止まった。 和やかな誕生日パーティー
家族もみんな慣れっこだ。母さんは気付いているのかいないのか、にこにこケーキを取り分けている。
めったに表情を変えないじいちゃんが、腕を組んで隣の姉ちゃんの様子を見ている。戦争を経験し、シベリアでの労働を乗り越えたじいちゃんは食べ物になるとシャレにならない空気を発する。これもいつもの光景だ。我が家の平和がここにある。
中学に入ってからますますねーちゃんの性格がややこしくなっていくのを感じる。
とにかくなんでも全力で取り組むねーちゃんを尊敬もしている。その性格が上手くはたらいて、成績はいいようだ。
みんながしょうもないと通り過ぎていくものに全力で、真正面からぶつかっていく姿勢にはいつも感心させられる。
ただ、あんなにすべてのことを全力で自分の問題と考えていたら、しんどくないのだろうか。 こんなにケーキが甘くておいしいのに
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