第2話 咲くべき花たち ④


こうして、俺は三日間、天野日和さんの死を見届けるまで彼女のために生きることにした。

彼女の過去も、夢も、今も、何も知らないけれど。


傲慢で自分勝手な理由かもしれない。

でも、彼女と生きること、それが枯れそうだった俺の命をつなぎ止めてくれる、そんな気がした。

彼女といたら、生きる意味が……死ぬ意味がわかるかもしれないと、崖っぷちの俺は思ったのだった。



本当は咲いていたい、花の気持ちも知らないで。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る