第8話 屋敷の中
気になってあとをつけていった。
自分でもなんでそんな行動をしたのかわからない。
戦争が終わって町は活気ずいている
逆に戦争に出た武士たちが、腑抜けの様になってしまった
幕府が倒れ、裕福なのは町人たちでひたすら剣に励んでいた侍たちは目標をたたれ
て、ひっくり返った世の中になじめない者がたくさんいたが 異様な手先の器用さ
を買われて自分は工場に職を得た
もちろん、忍者兼刺客として育てらられたことなど誰も知らない
一行は大きな屋敷の中に入った
一人の青年が出てきて、息を切らしている少年を支えた
少年は申し訳なさそう顔を上げた
その顔は美しかった
繊細でぼろの着物を着ているのにかかわらず高貴に見えた
でもその目には、不安が宿っている
顔を上げると、それが不安どころではないと思った
自分の存在を、自分がまだ生きているのを怖がっているような目をしていた
真の頭が唐突に、傷ついて殺されかかっている鹿のようだと思った
二人は、何か話しながら屋敷に入った。
その夜が更けてから、真は昔の黒装束で屋敷に入った
広い母屋のすぐ横に小さな小屋があった
子供の声がする
その時、昼間見た青年が、少年を運んでいくのを見た
少年はぐったりとしている
青年はその小屋から母屋に戻った
闇にまぎれて真は近づく
小さな小屋だった。
木の間からのぞくとたくさんの子供が横たわっていた
一瞬、死んでいるのかと思ったが、すうすうと安らかな寝息が聞こえた
もしかして、孤児を集めて養っているのかと思った
その時、一人がぐうっとうめいて泡を吹いた
痙攣が起ったが、起きるものはいない
真も何が起こっているのかわからなかった
ただ、それがきっかけになった
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