第6話 戊辰戦争

  戦争はいわゆる戊辰戦争であったが、結局争いは侍同士の誇りと言う


一歩引けば、曖昧な戦いで侍から見下され人数もわずかしか残っていなかった


 忍者にはああまり関係がなかった。


  徳川にも新政府にも恩はない。


 戦争に行っても見下されていたので自然にみんないなくなっていった


  親方もそれを止めなかった。


 真も「どこにでも行け」と言われた。


  その一言でつながりは切れた。 馬鹿らしいと思いながら夜の闇にまぎれて


 山を下りた、その時に目に入ったのが、折り重なって倒れていた少年二人で


  ふと足をが止まった。


  なぜならどう見ても子供で、戦争に来るような年ではなかった


  農民の子が巻き込まれたと思ったが鎧をつけている


   ひどく粗末な鎧だった


 上にかぶさっていたほうは、完全に息がなかったが


  下の子のほうは、生きていた


  たぶん上の子がかばったのだろう、背中に大きな刀傷


 面差しがよく似ていたので兄弟だろうと思った


  なんの気まぐれだろうと自分でも思ったが二人の鎧を解いてやった


これなら、農民の子と見られて、助かるかもしれない


 下の子がうすぼんやりと目を開けた、何かに似ていると思ったがその時は分から


なかった 「み・・・ず・・・」小さな声がした


 少し水を飲ましてやると、こくんと飲んだ


 そしてまた目をつぶった


そのまま山を下りて、干してあった着物に着かえたとき思い出した


 鹿だ、あの目は鹿に似ている


 


 


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