結婚を申し込まれた日のこと


「神さまのお嫁さん役?……あたしがですか??」


 はじめてその話を聞かされたのは、『神婚しんこん』を執り行う1ヶ月ほど前。生まれてから中学生までの間暮らしていた東京から、お父さんの出身地である豊海村に引っ越してきたばかりのときだった。


 お父さんは彫金作家、お母さんは陶芸家。あたしはそんな両親そろって芸術家という、ユニークでちょっと変わった家庭に生まれた。

 東京にある芸術大学で知り合い結婚したお父さんたちは、そのまま東京で作家活動をしていたけれど、東京育ちのくせにと都会が苦手なお母さんは、ずっと活動拠点をどこか自然ゆたかな田舎に移したがっていた。それでことあるごとにお父さんに「あなたの地元に帰りましょうよ」と誘っていた。

 海がとってもきれいな豊海村はお父さんが生まれ育った場所だけど、都会育ちのお母さんのほうがすっかり気に入ってしまっていたのだ。お母さんは、うつくしい豊海の海を見ていると次々に作品のインスピレーションが湧いてくるらしかった。


 でも一度地元を出て行ったお父さんは「親父たちもいなくなったのに、今更豊海に帰るのも体裁が悪い」ってだいぶ渋ってた。だけど喘息になりやすいあたしが一度中学のときに症状を悪化させたのをきっかけに、「ののかのために空気のきれいな場所で暮らした方がいいのかもしれない」と言い出すようになって。

 あたしが「どうせ田舎に行くなら、あたしも豊海村に行きたい」と言って都内から引っ越すことを嫌がらなかったのもあって、ついにあたしが高校生に進学するタイミングで一家で豊海村に移り住むことになった。


 それまで仲のよくしていた友達と離ればなれになるのはさびしかったけど、あたしは豊海村に来るのをお母さん以上に楽しみにしていた。

 相変わらず豊海の海はどこで見るよりもいちばんきれいな海だったし、それに豊海村に来ると、いまもすぐ傍でだいすきだったおじいちゃんとおばあちゃんがあたしのことを見守ってくれているような、ふしぎとそんなあたたかい気持ちになれたから。


 そしてなにより初恋のひとがいる土地っていうことに、自分でも驚くくらい惹かれてしまっていた。豊海村で暮らしていたら、いつかまたあの男の子と会えるかもしれない。そんなことを願っていたあたしに、思ってもみなかったことが起きた。



 それは豊海村に引っ越してきてから間もない、4月の日曜日。


 あたしたち家族がまだ段ボールに詰めたままだった荷物を、手分けして片付けているとき。突然、村にある海来神社の宮司さんが、神主さんや巫女さんたちを引き連れてあたしの家を訪ねてきた。

 総勢15名ほどの一団の中に、同じ高校に通っていて、豊海村に来てからいちばん最初に仲よくなった斎賀響さいがひびきちゃんがいるのに気付いて、あたしは思わず声を上げた。


「響ちゃんっ?!……何?いったいどうしたの?」


 あたしが聞いても、いつも無口でクールビューティな響ちゃんは何も答えてくれない。代わりに、先頭にいた宮司さんがあたしに話し掛けてきた。


「早乙女ののか様ですね」


 『宮司』は、神社の神職でいちばん位が高い方だ。目の前にいる白髪のおじいさんも、背筋のすっと伸びたうつくしい姿勢といい、落ち着き払った雰囲気や上品な物腰といい、まさに神社を取り仕切る役職にふさわしい、立派な風格の方だった。この方は響ちゃんのおじいさまだった。

 そんな目上の方に名前を様付けされて、あたしは混乱と驚きのあまり、声も出せずに肯くことしか出来なかった。宮司さんはそんなあたしを見て、やさしげな目元に笑い皺を寄せると、今度はうちのお父さんの方へ向いて言った。


「早乙女さん。我々はこの度、早乙女さんの娘さんが『海来様』の『花嫁御寮』に選ばれましたことをお伝えに参りました。誠におめでとうございます」


 お父さんは息を飲み、途端に渋い顔になった。


「はなよめごりょう……?」


 あたしが疑問に思っていると、宮司さんはやさしい物腰で話しかけてきてくれる。


「ののか様は、『海来様』のことはご存知ですか」

「はい、知っています。むかしおじいちゃ………祖父から教えてもらいました。夏祭りのときは、巫女のおねえさんが書いてくれた紙芝居も見に行ったことがあります」


 豊海の村にはある伝説があった。あたしがちいさい頃から聞かされたのは、こんな感じの話だ。




 その昔。


 漁師が浜辺で漁に使う網を手入れしていると、海から蒼く輝く漁師の手のひらほどもある大きなうろこのようなものが浜辺に流れ着いた。

 信心深い漁師はそれを家に持ち帰ると、庭にほこらを建て、そこに鱗のようなものを置いて手厚く祀った。すると三日後の夜、体を蒼く輝かせた、世にもうつくしい青年が家を訪ねてきた。


『それは私の体の一部で、この海で戯れているうちに剥がれ落ちてしまったのだ。どうかその鱗を私に返してはくれないか。それがないと、私はこの海の彼方にある私の国へ帰ることが出来ないのだ』


 漁師は青年を哀れに思い、鱗を返してあげた。するとその途端青年はその場からすっと姿を消してしまい、急に雨が降り出た。漁師が空を見上げると、雲の合間に空高く飛んでいく蒼く輝く竜の尾が見えた。

 きっと今の青年は海の神さまの化身だったに違いないと思った漁師は、その後も空になった庭の祠で青年のことを祀り続けた。


 不思議なことにそれから漁師はいつも大漁に恵まれ、海で見付けた翠碧すいへき色の貝からは世にも珍しい、あの青年と同じ蒼い輝きの真珠が採れるようになった。そしていつしか漁師は村いちばんの財を成すようになった。


 青年を海の神だと信じる漁師の話は村人たちにも広がり、いつしかこの村では青年は『海から来臨なさった方』、転じて『海来かいらい様』と呼ばれるようになり、この村の守り神として信じられるようになった。





「……漁師さんの建てたその祠が、海来神社の原型になったって聞きました。『海来様』の海の恵みのおかげで村が豊かになったから、この土地が『豊海』って呼ばれるようになったとも」


 あたしが答えると、宮司さんは目を細めて微笑んだ。


「実はその伝説には続きがあるのです。これは私ども、古くから『海来様』にお仕えする斎賀家に伝わる話です」





 近隣でも有名な富豪になった漁師は、海の富で成した財で海来様のためにもっと立派なおやしろを建てた。


 漁師はそれから心やさしくうつくしい妻を迎え、仲よく暮らし、娘にも恵まれた。その娘も妻と同じくらいうつくしく育った頃だった。

 ある日娘が海辺に遊びに来ると、海の彼方がきらきらと蒼く輝いているのが見えた。あまりにもうつくしい輝きに娘が目を離せずにいると、その光は娘の方へどんどん近づいて来てきた。気付けば娘の前には、世にもうつくしい青年が立っていた。

 

 その青年こそ、漁師が一度だけ会った『海来様』だった。


 娘と青年は一目で恋に落ち、青年は海の彼方にあるという神の国へ娘を連れて行こうとする。けれど老いはじめた父親が心配な娘は、あなた様と添い遂げたいけれど両親を残して行くことは出来ないと、青年に泣いて訴えた。

 娘の親思いのやさしい心に打たれた青年はおかへ上がり、神の国には帰らずに人の世で娘と暮らすことにした。


 青年と娘はたいそう仲が良く、子宝にも恵まれ、幸せに暮らした。





「海来様って、お嫁さんがいたんですか………」


 宮司さんのお話を聞いて、あたしはがっくりと肩を落としていた。神さま相手に抱く感情じゃないのかもしれないけど、初恋の相手かもしれない神様が実は妻子持ちとか、地味にショックだった。……あの男の子が海来様だったって決まったわけじゃないけど、『世にもうつくしい』だなんて、やっぱりあの男の子のことにしか思えないのだ。


「伝説では、そのように言われております。ですからこの村では古くから『神婚』の儀式が執り行われるのです。そして今度の儀式には、ののか様が花嫁役に選ばれました」

「ちょっといいですか?そのシンコンってなんですか?」


 あたしではなく、隣で黙って聞いていたお母さんが、急に身を乗り出して宮司さんに尋ねる。その目は子供みたいにキラキラしていた。お母さんは柳田国男の著作が愛読書で、日本の昔話とか伝説とか、そういった地方で伝承されている話を聞いたり読んだりするのがむかしからだいすきなのだ。陶芸の創作にインスピレーションを与えるらしい。


「『』と『姻』する、と書いて『』と言います。これはこの海来神社に古くから伝わる神事で、この豊海村に暮らす清らかな乙女の中から『海来様』の伴侶になる娘を選び、めあわせるものです」

「つまりウチのののかに、神さまと結婚しろって言うわけですか」


 お母さんはすかさす宮司さんに確認する。


「ええ。………とはいってもあくまで『儀式』であり、本当に『一生涯純潔を守り海来様と添い遂げろ』というものではありません。一時的に、海来様の花嫁として過ごしていただく儀式なのです」

「期間限定のお嫁さんってわけですか」


 お父さんは硬い表情のまま押し黙っているけれど、次々に質問をしていくお母さんはあきらかに興味津々な顔だ。


「でもののかはここへ越してきたばかりなんですよ?なのにもう『豊海村の娘』として扱ってもらえるんですか?そもそも神さまの花嫁役なんて重要な人選でしょうに、誰がどんな基準で選ぶんですか?」

「……それは『海来様』のご意志としか、お答えしようがありません」

「宮司さんたちが直々に訪ねてくださるくらいなんだから、『花嫁役』に選ばれることは名誉なことなのでしょうに本当にウチの娘でいいんですか?……それともまさか花嫁役って、この子を縄でぐるぐる巻きにして海の中に放り込むとか、そんなことしませんよね?」


 お母さんの言葉に、あたしだけじゃなくお父さんも、澄ました顔で宮司さんの後ろに並んでいた年若い神主さんや巫女さんたちもぎょっとした顔になる。


「ちょっと、お母さんっ。いきなり何物騒なこと言うの?!」

「だって15、6の若い娘を海の神さまに差し出すっていったら、昔から人身御供にされるって決まってるじゃない?」

「……ひとみごくうって?」

「生贄のことよ」


 その言葉に一瞬ぞっとしかけたけど、お父さんが「馬鹿なことを言うな」と止めに入ってきた。


「まったく君は。そんな不謹慎なことを言ってると、今にバチが当たるよ」


 お父さんは珍しく、すこし声を荒げてお母さんを叱責する。


「だいたい生贄なんて、いまどきそんな時代錯誤な話があるわけないだろう。………昔、僕と同い年の女の子が『海来様』の花嫁に選ばれたけど、彼女は今も元気に暮らしているよ。この前同窓会でも会ったしね」

「そういえば、早乙女さんはもともとこちらの出身でしたね。同輩だった吉郎さんには、いろいろとお世話になりました」


 宮司さんはお父さんを見てそう言った。『吉郎』は、亡くなったおじいちゃんの名前だ。


「いえ、こちらこそ。……『海来様』のことについては、僕も昔からよく親父にもお袋にも言い聞かされてきました。ですからこの土地で生まれ育った者として、『海来様』からの申し出なら、『花嫁御寮』の話はこちらに断る権利などないことも承知していますよ」


 お父さんは淡々と、でもどこか棘のある言い方をする。


「斎賀宮司。なぜうちの娘だったのか、考えてもしょうがないことなんでしょうね………」


 お父さんは不服そうに下唇を噛みしめながら、どこか諦めたような、それでいてやるせないような表情で、ゆっくり宮司さんに頭を下げた。


「仕方がありません。……このお話、お受けします」

「………え、お父さん……!?」


 当人であるあたしが承諾するより先に、お父さんが勝手に返事をしてしまう。お母さんも驚いた様子で、「そんな簡単に決めてもいいの?」とお父さんに聞く。

 あたしも別に花嫁さん役をやることは全然嫌じゃないけど、やるかやらないかはあたしが決めていいことだと思っていたから、お父さんの独断に戸惑ってしまう。でもお父さんはいつになく緊張したような、何か思い詰めたような顔をしていたから何も言えなくなってしまった。


 お父さん、どうしたんだろう。『花嫁』っていっても、ただの『役』の話なんでしょう……?不安に思って隣に立つお父さんを見上げると、お父さんは意思を感じさせる重い口調で宮司さんに言った。


「その代わり、僕の娘を。………ののかのことをどうかよろしくお願いします」


 お父さんの言葉を受けて、先頭の宮司さんが、そして背後に控えていた神主さんと巫女さんたちが一斉に頭を下げた。古めかしい装束に身を包んだ神主さんや巫女さんたちが、まるで仕えるべき主を前にしたかのようにあたしに向かって深く頭を垂れる光景は、すさまじいインパクトだった。

 その異様な雰囲気に飲まれて、あたしが身動きとれずにいると、お母さんに強引に頭を押されて、あたしも慌ててお辞儀を返した。


「それではののか様。『神婚』の日時など詳細は、後日海来神社の社務所の方で説明させていただきます。その際は、こちらに迎えの者を寄越しますので」


 そういって宮司さんは、ちらりと背後にいる響ちゃんに目配せすると、響ちゃんがそれに応じて肯いた。それから響ちゃんはあたしに向かって「よろしくお願いいたします」と言って、うつくしい所作で一礼した。神事に参加するなんて緊張するけど、友だちの響ちゃんがいてくれるなら心強かった。


「その時は、私たちも一緒に行っていいんですよね?」


 お母さんが尋ねると、宮司さんはすこしだけ表情を曇らせた。


「はい。ですがご両親様とののか様は、別室にて説明させていただくことになります。……『神婚』は口伝されている秘祭ゆえ、大変申し訳ないのですが、当時者であられるののか様以外には儀式の詳細をお教えすることが出来ないのです」


 宮司さんの言葉に、お母さんはあからさまにがっかりした顔になる。


「それでは。他に特にご質問などがありませんようでしたら、そろそろ失礼させていただきます。突然のことで大変申し訳ございませんでした」


 そういって宮司さんたちが一礼して、我が家の門前から去って行こうとしたとき。


「あ、あのっ」


 あたしは思わず宮司さんを呼び止めていた。くだらない質問だってわかっていたけど、どうしても聞かずにはいられなかったことがあったのだ。


「儀式であたしが『海来様』のお嫁さんの役になるってことでしたけど、お嫁さん役になった人は今までにもたくさんいらっしゃったんですかっ!?」

「そうですね。……秘祭ゆえ、今ここで詳しくお話しすることは出来ませんが。一定の期間ごとに、花嫁御寮を新しく迎えております」


 宮司さんは面倒臭がらずに、あたしの話を聞いてくれた。


「……新しくって、つまりあたし以外にもむかし結婚したお嫁さんがたくさんいるってことですよね?……海来様って、奥さんがたくさんいるんですか?神さまだから一夫多妻制が許されるんですか?」


 あたしとしてはいたって真面目な質問のつもりだったけど。とても落ち着いた感じに見えていた宮司さんは、あたしの言葉に目を丸くした。背後で澄ました顔していた若い神主さんの一人は、笑いを堪えきれなかったのかふっと吹き出す。


「もう、いやね、ののかったら。神さま相手に人間の常識でモノを言っちゃダメでしょ」


 お母さんは笑いながら言ってくる。お母さんの遠慮のないその笑いにつられて、能面みたいな顔をしていた神主さんや巫女さんたちの何人かが、またふっと吹き出した。


「でもッ。……ただの儀式だったとしても、次々お嫁さんもらうような浮気性な神さまって、なんか許せないじゃんっ……」


 このときあたしの脳裏にいたのは、あのきれいな男の子。あたしの初恋のあの子が、お嫁さんを何人もはべらせている姿を想像すると、やっぱどうしても面白くないのだ。そんなあたしをお母さんは容赦なく笑ってくる。なんだかだんだん恥ずかしくなって俯いていると、宮司さんがあたしに「ののか様」と呼びかけてきた。


「そういうことならご安心ください。海来様はとても情の深い神さまですから。………ののか様がそうなさるなら、海来様もののか様のことを必ずや大事にしてくださるでしょう」


 宮司さんはどこか意味深に言ってくる。大事にしてくれるって言っても、でもどうせ海来様との結婚はただの儀式のはずなのに、これではまるであたしが実在する人の元へ本当に嫁いでいくかのような口ぶりだ。そんなことを思っているうちに、宮司さんたちはもう一度丁寧に頭を下げると今度こそ神社へと帰っていった。


「一生大事にしろなんて言わないから、せめて儀式の日にだけでも、もう一度会えないかな……?」


 その晩、あたしは蒼真珠の入った匂い袋を握り締めながら眠った。けれどつれない初恋相手の彼は、その日は夢にすら出てきてくれなかったのだった。



* *



「ののか様には、5月1週目の日曜日より『神婚』を執り行っていただきます」


 宮司さんたちが我が家を訪ねてきてから数日後。言われたとおり、響ちゃんが家にあたしを迎えに来て、あたしは海来神社の社務所で宮司さんから『神婚』の説明を受けた。


「『神婚』という神事では、婚姻にまつわる儀式をいくつか行っていただくのですが、特に難しいことはありません。ののか様はその都度、介添かいぞえの指示通りにしていただくだけで大丈夫です」

「介添えっていうのは……」

「花嫁であるののか様に付き添い、世話をさせていただく者のことです。この神社の巫女の中から選びます」

「………それはどなたが務められるのか、事前に知ることは出来ますか?」


 心細く思うあたしの心を見抜いてか、宮司さんは「ののか様はうちの響と親しくしてくださっているようですね」と話しかけてくれる。


「はい!……響ちゃん、いつも落ち着いてて頭良くてかっこよくて、それにすごくやさしいんです!いつもあたしばっか喋っちゃってうるさいだろうに、それでも黙って話を聞いててくれて。で、あたしが困ってると、何も言わずにそっと手を貸してくれたりするんです。響ちゃんは、こっちへ越してきてからはじめて出来た、大切なお友だちです……!」


 あたしの熱のこもった言葉に、宮司さんは「それではののか様の介添え役は響にしましょう」と提案してくれる。


「本当ですかっ!?……だとしたらすごくうれしいですっ。響ちゃんがいてくれるなら『神婚』も大成功すると思いますっ」

「ではそのようにいたしましょう。仲の良いののか様のお役に立てて、響も喜ぶと思います。……これは宮司ではなく祖父としての言葉ですが……あの子は少々無愛想で人に誤解されやすい子なので、響のことをそこまで思ってくれる友人がいたことを、私もうれしく思います」


 そういって宮司さんは、いつにも増してやわらかな表情でほほえんでくれる。その後、宮司さんからお話ししてもらった『神婚』の内容はひどく驚かされることがあって、あたしも本当に『花嫁役』が務まるのかだいぶ動揺してしまったけれど、それでもあっという間に一ヶ月がたち、いよいよ『神婚』を執り行う日曜日がやってきた。






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