第11話 溟海に架ける
海辺の道を走り抜けた彼の車を降りると、大きな総合病院が目の前に広がっていた。
案内されるがままに個室に足を踏み入れた途端、甘酸っぱいカミツレの香りがふわりと弾け、心を穏やかに溶かしていった。入り口から丁度抜けて見える開け放たれた大きな窓の外は、鮮やかな紺碧でいっぱいに満たされている。その景色の前には、一人の女性が窓辺に寄り掛かるように佇んでいた。彼女の肩にかけられた青色のストールが涼風に揺れている。
「
名を呼ばれた彼女はゆっくりと振り返り、私たちの姿を映すと、目を細め柔らかく微笑んだ。
「いらっしゃい」
彼女が療養中の妻なのだろう。光を受ける肌は病的なほどに白く、服の袖口から細い手首が覗いている。深く被った帽子の影から覗く目は深海のように黒く、彼女の美しさを強調するようだった。
「昨日話した探偵の
「あぁそう、よう来てくれはったなぁ」
紹介を受けて、私たちはそれぞれに頭を下げる。真っ直ぐにこちらを向いた七海子さんはとても華奢な肩をしており、首元に掛けられた銀色のペンダントが大きく見える程だった。
「何もないところやで退屈かもしれへんけど、ゆっくりしてってくださいね」
そう、彼女が優しく告げる。壱弥さんは持参したお見舞いの品を源さんに手渡し、愛想良く微笑んだ。
「まぁ立ち話もなんですから、おかけください」
その場に留まっていた私たちに向かって、
「私やってお客さん立たせたまま話しようとは思わへんよ」
小言を溢しながらベッドの足元を通りすぎると、滞りのない動作で彼女はこちらへやってくる。源さんはそれを苦笑いで受け流し、持参した彼女の衣類をクローゼットへ仕舞っていった。
七海子さんは机を挟んだ向かい側のソファーへと座り、ようやくにっこりと微笑んだ。そしてすぐに私たちの姿を大きな瞳で撫でていく。一頻り私たちの顔を眺めると、彼女は少女のような明るい声を上げた。
「二人ともすっごい若いんやね。春瀬さんは立派な探偵さんやって聞いとったから、私達とそんな変わらんもんやと思ってたわ」
楽し気に話す七海子さんに、壱弥さんは訝しい表情を見せた。恐らくそれに気付いたのだろう。彼女は言葉を添える。
「あ、私の目が悪いのは歳のせいちゃうからね。点滴の副作用やねんて」
「……納得しました」
後ろで源さんがくすりと笑った。
「もう、源さんは他人事やと思て」
「ごめんごめん」
七海子さんが態とらしくむすっとすると、取り繕うように彼はまた笑う。その何気ないやりとりが、夫婦の間にある日溜まりのような暖かさを表現しているようにも感じられた。
「お二人は仲が良いんですね」
「えー、そう見える? 言い合いばっかしてるよ」
でもそれが、気を許しあった夫婦の関係なのだと思わせる。そう言うと、彼女は少しだけ照れくさそうに頬を撫でた。
「そういえば、高槻さんの下の名前は何ていうの?」
「ナラ、といいます」
「ナラちゃんかぁ」
質問に答えると彼女は響きを確かめるように私の名前を復唱した。
「ナラちゃんの格好、ミントチョコレートみたいで可愛いね」
見下ろすと、ミントグリーンのパンツが目に映る。白いシフォンのブラウスに白い薄手のカーディガンを合わせ、随分と夏らしい印象を与える格好だ。朝、急いで着替えた割りには悪くないコーディネートだと自信を持って言える。褒められたことを喜ばしく感じていると、壱弥さんが私だけが聞き取れる程の小声で「青ジャーやったやん」と言ったため、私は思わずヒールで彼の足を踏み潰した。
すかさず足を引っ込めた壱弥さんは鬼でも見るような顔をしていたが、
その様子を見ていたのかどうか、後ろで源さんがくすくすと笑っていた。
「春瀬さんの目の色、本物の琥珀みたいやね」
唐突に七海子さんが言った。
「琥珀、ですか」
「そう、むかし海で拾った琥珀にそっくりやねん」
彼女は思い出すように目を閉じ、呟いた。
――海と琥珀。
その二つはどう関連しているのだろうか。
「琥珀って、海で拾えるんですか?」
率直に尋ねると、彼女は言葉を続けていく。
「何らかの理由で海に流れ出た琥珀が、浜辺に打ち寄せられることがあるんやよ。海流に乗って流れ着いた琥珀は『シーアンバー』って呼ばれててね、ものすご綺麗やねん」
「初めて聞きました」
「滅多に拾えるもんやないんやけどね」
そう、笑う。
「七海子さんはほんまに海がお好きなんですね」
「そうやね」
彼女はずっと海を見つめていた。すぐそこにあるかのように、黒い瞳に映り込んだ青海に白波が立つ。ふと気が付くと、波の音が窓硝子をすり抜けて耳に届くような錯覚に陥っていた。そのまま砂浜を歩く彼女の姿を思い浮かべてみると、その真っ白な肌が熱い夏の白砂に溶けてしまうような不思議な心地がした。
何故、彼女は海が好きなのだろう。
「私と源さんはね、一緒に海洋学の研究をしとったん。海って地表の70.8%を占めるって言われてやろ? 海は世界で一番大きいものなんやよ。目の前に広がる海を見てたら、嫌なことでも全部包み込んで取り払ってくれるような、そんな穏やかな気持ちになれると思わへん?」
頷くと、七海子さんは嬉しそうに微笑んだ。
海は母性の象徴だと言った。見ているだけで、どこか優しく包み込んでくれるような安心感を抱くことができる。全てが大した問題じゃないと感じられるような海の雄大さに、人々は心を惹かれてしまうのだろう。
「夏は太陽が高くて眩しいから、海がいっつも光って見えんねん。
喜々として海の魅力を語る彼女は、病気を抱えているなどとは微塵も感じさせない程、生き生きとした表情をしていた。
病室の整頓を終えた源さんが、プリンと淹れた紅茶を運んでくる。艶のある黄金色のプリンが目の前に差し出されると、七海子さんはキラキラと目を輝かせた。
「これ、グレープフルーツプリンやね。春瀬さんが持ってきてくれはったん?」
「はい、ご存知ですか」
「京都では有名ですもん。でも市内にはしばらく行ってへんから、いただくんも久しぶりや」
子供のように笑う彼女の様子を見て、壱弥さんは少し安心した様子だった。
七海子さんは丁寧にプリンの蓋を開ける。その様子を微笑ましいと見守りながら、源さんは隣の空席に座った。一口、プリンを含む度に七海子さんは頬を蕩けさせていく。半分ほど食べ進めたとき、彼女は何かに気が付いた様子で顔を上げた。
「今更やけど、探偵さんたちがここに来たのって、私になんか用があったってことですよね」
彼女の気の抜けた問いに、紅茶を口にしていた壱弥さんは一呼吸置いてからゆっくりと頷いた。
「なんでもきいてくれていいですよ」
プリンを食べ終えてしまった七海子さんは紅茶に甘い角砂糖を落とし、ティースプーンでくるりとかき混ぜる。恐らくこれからが話の本題になるのだろうと、私は源さんから頂いたビスケットを慌てて飲み込んだ。
鞄から取り出した手帳を開き、ペンを握る。
「お義母様が生前に誰かに宝石を譲ったりしてたかどうか、奥様はご存知ではありませんか」
「……あぁ、サファイアの指輪を探してくれてはるんやっけ」
「はい」
「お義母さんはあの指輪を絶対に手放したりせんと思います。お義父さんとの思い出のあるものは一つも手放してへんし、お金に換えるとしても、もっと価値があって売っていいものなんてようさんあるし」
隣で聞いていた源さんもその言葉を肯定する。予想通りの反応だと言わんばかりに、壱弥さんは小さく頷いた。
「それなら、奥様がお義母様より頂いたものは何かありますか?」
「それなら……このペンダントはお義母さんに貰ったものです。あとここにはないけど、トパーズのピアスもずっと昔に」
七海子さんは、壱弥さんに見せるように首元から下げていたロケットペンダントを持ち上げた。それは銀色の貝殻の形をしており、扉を開くと淡い橙色のライトが灯る仕掛けになっている。照らされた笑顔の夫婦写真の上部には、台座に乗った赤い宝石が装飾されていた。光の加減によってやや紫ががった深い色味が浮かぶ。
「私の病気が治るようにってくれはったんですよ」
「そうなんですね。因みにこれって何の宝石ですか?」
「さぁ、赤いからルビーやろか? 私は宝石には詳しくないんでよくわかりませんけど」
彼女は申し訳なさそうに答え、静かにペンダントを閉じた。
「多分ルビーであってますよ」
源さんが補うように壱弥さんに告げる。
「ルビーはパワーストーンとして病気を癒す力があるって信じられてますからね」
なるほど、と壱弥さんは口元に手を添えた。
「もう一つのピアスはご自宅にあるんですか」
「ええ、私の部屋にあると思います。なんやったら家に帰ったときにでも見てってください」
「有難いです」
壱弥さんは微笑む七海子さんに向かって静かに頭を下げた。
流れるように過ぎていく彼等の会話は滞ることを知らず、その速度に会話の内容が重要であるかどうかの判断が鈍る。そのため、手帳に事実を書き留めていくだけが精一杯であり、取捨選択が困難だった。それに反し、彼の質問は続いていく。
「他にお義母様の遺品で足りへんと思ったものはなかったですか?」
「私は特に何も。源さんは何かあった?」
七海子さんが質問を振ると、源さんは思い返すように口元に手を当てる。しかし、何も思い付かなかった様子でゆっくりと首を横に振った。
「これといったものはないと思います」
「そうですか。お二人はお母様が所持していた宝石類の把握はされてましたか?」
「いいえ、流石に母の私物まではわかりません」
「それなら、遺品として挙がってるものが全てという確信はないんですね」
「そうなりますね」
やはり、あの指輪を手放すなどあり得ないと二人が口を揃えて話すゆえ、どこかに保管されている可能性が一番高いと考えているのだろう。壱弥さんが礼を告げる。ようやく話が終わったのだと深く息を吐いた。
七海子さんは隣に座っていた源さんの肩を叩く。
「なぁ源さん、ちょっとあそこのパン屋さんでサンドイッチでも買ってきてくれへん」
その言葉に、源さんは眉を下げた。
「お昼食べたばっかやのに、まだ食べる気なんか?」
「何言ってるん。私とちゃう。十時に約束しとったんやで、みんなお昼まだなんやろ?」
はっと気がついた彼は直ぐに席を立つ。
「気が利かんくてすみません」
気遣いは不要だと断りは入れたものの、源さんは頑なに譲らず、ついには病室を出て行った。その姿を見送ったあと、彼女は私たちに微笑みかけた。
「……春瀬さん、まだ私に聞きたいことあるんとちゃうかな思て」
七海子さんは紅茶の注がれたティーカップに指をかけながら言った。
「源さんおらん方がききやすいこともあるやろきっと」
「お気遣いありがとうございます」
壱弥さんにつられて私も頭を下げる。
「そんで、何やった?」
「お義姉様のことです」
壱弥さんの台詞を聞いて、あぁ、と七海子さんは吐息を漏らすように呟いた。
彼女は
「旦那様はお義姉様と仲は良くないんですか」
「何でそう思わはったんですか?」
七海子さんは壱弥さんの問いには答えないまま、質問を返す。
「今回は調査対象が遺品ということですし、予め遺産相続権のある人物を調べさせて貰いました。旦那様には歳の離れた姉が一人いらっしゃるみたいですね。けど僕が調べる限り、彼女が嫁いで出て行った時から二人の関係は途絶えてしまってるみたいでした。それでです」
「おっしゃる通りです」
静かな声で壱弥さんの言葉を肯定すると、紅茶を口にした。
「人のことを悪く言うんは嫌ですけど、お義姉さんはほんまに傍若無人で、私欲ばっかの人です。せやから源さんも、お義姉さんとはできるだけ距離を置いてたんやと思います」
七海子さんは不快感を示すように表情をゆがませる。
「でも先月にお義母さんが亡くなってしもたから、顔を合わさざるを得えへんやろ。そっからお義母さんの遺産分配をしてるんやけど、何や揉めてるみたいなんです」
「何を揉めてるんかは――」
「宝石の分割です」
悪い予感が的中したようだった。
その事実を知った壱弥さんは眉を寄せる。
「遺言書では、現物で相続指定したものもあったみたいですけど、大方は書かれてへんかったらしいです。お義姉さんは他の宝石は換金して分割したいって言わはったけど、なんせお義母さんの思い入れのあるもんばっかやで、源さんはそれを許さへんかった」
源さんの気持ちを考えると、その選択は間違いではなかった。けれど、現実では宝石類には換金して平等に分割する「
それならばどのように分割をすれば良いのだろうか。その選択肢の一つに「
けれども現物が見つからなければ相続以前の問題となってくる。もしも後から宝石が見つかってしまったのなら、トラブルの火種になり兼ねない。そう考えた源さんは自身の姉の性格を考慮した上で、分割協議が終わる前に指輪を見つけることを優先したのかもしれない。
七海子さんは窓の外に視線を向けた。
「源さん、私にあの指輪を贈りたいって言うてたやろ? でもな、多分そんなんただの口実やねん。源さんは、お義母さんの大事にしてたものを取り戻して、お義母さんの思いを傍に置いておきたいだけや。……あの人は、母親が一番大事やから」
彼女は海よりもずっと遠くを見つめていた。
それでも、窓の外には青い景色が広がっている。
目の悪い彼女にはその景色が認識できているのだろうか。ただ深く塗りつぶされた世界がそこにあるだけではないのだろうか。
心を落ち着かせるために私はティーカップに手を伸ばす。温かかった紅茶は、いつの間にか冷たくなってしまっていた。
──トパーズのピアス。
私たちが見たそれは、清水のように彼の手の中で輝いていた。
ずっと黄色い宝石を想像していたが、実際はブルートパーズという爽やかな水色だった。雫が落ちるように装飾されたピアスは、きっと耳元で波のように揺れるのだろう。その色形すべてが、七海子さんの肌によく似合うものだと思った。
午後四時前。倭文家邸宅に戻ったあと、源さんは研究所からの電話を受け、再度家を出なければならなくなったと言った。申し訳なさそうに謝罪をする源さんに向かって、壱弥さんは笑顔で言葉を返す。
調査は明日へ持ち越しということなのだろう。
「一つよろしいですか」
屋敷を出る直前、壱弥さんは源さんに告げた。
「なんでしょうか」
「変なことお聞きしますけど、奥様とお母様の仲は良かったんですよね」
「そうですね。私よりも仲良いんやないかって思うくらいでしたよ」
当然の返答だった。
そうでなければこんな綺麗なピアスやあのペンダントを贈ったりはしないはずだ。
「そうですか」
ありがとうございます、と質問の意図を感じさせない程の柔らかい声で告げた。
モノレールを降りると、肌を撫でるような柔らかい風が壱弥さんの黒髪を揺らしていった。車内にネクタイを残してきた彼は、白いシャツのボタンを二つ外し、軽く上着を羽織っていた。遊園地にも溶け込んだ涼し気な恰好に、暑さを忘れてしまうようだった。
展望台に上がると、目の前の壮大な景観に声を上げた。
左右を埋める青い海と、中央を架ける鮮やかな緑。その上空には夏の空が駆け巡る。展望台には上らないまま、壱弥さんは私の隣に立った。
ずっと昔、一度だけこの場所を訪れたことがあった。祖父に手を引かれながら、この展望台に上ったことも覚えている。あの日も今日と同じ暑い七月の午後で、吹き抜けていく涼風が心地よかった。
「そういえばさぁ、昔お祖父ちゃんとここに来たことあるんやけどね」
壱弥さんは私の顔を見る。
「
「うん。そんで、ここの風がすっごい気持ちよかったから、空の水筒に詰めて持って帰ろうとしたん」
「風を?」
「風を」
反応に困ったように、壱弥さんは小さく笑い始める。
「でも、せっかくちゃんと大事に抱えて帰ったのに、お祖父ちゃんが水筒洗うからって開けてしもたんです。何かその時むちゃくちゃ腹立って、ずっとお祖父ちゃんの背中叩きながら『もう一回取りにいくんやー!』って駄々捏ねてた気がします」
「なんなんそれ」
「さぁ? 今思ったらおかしいですよね」
私はにやける壱弥さんを見て、苦笑した。
子供は在りもしない夢を現実のように楽しむことが出来る天才だ。きっとあの時、私が水筒の蓋を開けていても風は吹き抜けていかなかっただろう。祖父はそれを知っていて蓋を開けたのかもしれないし、本当に何も知らずに開けてしまったのかもしれない。今となっては本当のことを確認することはできないが、祖父の優しさは確かにそこにあった。泣きじゃくる私の頭を撫でて、「次はこれに入れて飾っとくんやで」と、綺麗な硝子の小瓶を手に持たせてくれたのだ。
「お祖父ちゃんともう一回来ようって約束しとったんやけど、結局叶わんかったなぁ」
そう零すと、祖父と一緒にいた記憶がどんどん溢れだす。
――私の名を呼ぶ優しい声、私を撫でる優しい笑顔、私の手を引く温かい手。
今でも鮮明に蘇る。
幼いころは父が全国を転々と異動していたため、父代わりの祖父が私を遠くへ連れて出かけてくれていた。けれど、もう祖父はいない。
涙を堪えながら顔を上げると、壱弥さんが私の髪をくしゃくしゃにしながら撫でた。
「匡一朗さんの代わりにはならんかもしれへんけど、俺でよかったらどこへでも連れてったるわ。いつでも」
彼は少し目線を外しながらそう言った。
いつか祖父のようになりたいと思っているのに、私はいつも嘆いてばかりだった。このままでは祖父のような立派な人間になることはできないのかもしれない。それでも、私は祖父の面影を追い続けたいと望む。祖父が生きていたという証を、忘れてしまわないように。
かけられた優しい言葉にを胸にしまって、私は展望台を飛び降りた。
「ありがとう、壱弥さん」
キラキラと光る海には、変わらず天に昇る橋が架かっていた。
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