最新の第4話「化け狸」まで読んでのレビューです。
人の世界で暮らすようになったかつての妖怪たち、元は最強の鬼にして今は不動産屋の如月さん、かつての妖刀ムラマサはフリーターのような青年に、狸娘の清はそのムラマサのところに同居して……と、完全に人間社会に溶け込んで暮らしています。
しかし人間社会に溶け込めない妖怪もおり、彼らは時折騒動を引き起こすのですが、それを秘密裏に処理しているのが如月さんたちのもう一つの顔。ただいずれも曲者ぞろいで、濃密なドラマや戦いが引き起こされていきます。
物語は読み切りの連載短編のようなスタイルですが、次から次へと物語がつながり、読み応えのある長編となっております。さらにキャラクターを掘り下げるような短編も挿入され、物語の世界をより鮮やかに浮かび上がらせます。
とにかく、もう一度、とにかく完成度の高い作品です。文章も流れるよう、ストーリーは興味深く、どんどんはまっていく構成力。
妖怪物好きとして、もちろん小説好きとして、とにかく強力に推薦したい作品です!