桜えびのかきあげ
桜えびといえば由比だ。
由比ヶ浜ではない。あれは鎌倉の海岸だ。由比は静岡の駿河湾にある。
桜えびは日本で唯一そこでしか獲っていない。国産の桜えびは100%駿河湾産だ。他の場所でも生息はしているらしいが、獲っているのは由比だけだ。
日本以外だと台湾で獲れるらしい。あちらでは干すのが基本との話。
そんなわけで高速道路を使い、由比まで行ってきた。昼食のためだけけに200キロを移動した経験があるボクとしては、120キロ程度じゃ大して遠くない。
選んだ店は桜えび料理の有名店。紅白の某司会者がその昔、原付で日本を走っていたときにも立ち寄ったそうだ。
んでもってちょっと張り切りすぎた。店に着いたのが10時20分。開店が11時からだから40分待つ。入口横の壁を隔ててすぐが調理場らしく、準備の音が既に聞こえていた。
暫く待つと、車がちらほらやってくる。とても狭い道でしかも郊外ナンバーだ。この店目当てに来ているのがバレバレ。岐阜、横浜、名古屋ナンバー。また岐阜、そしてまた横浜。わざわざこんなところまでご苦労様。といってもボクもそのお仲間だ。
開店10分前にはもう店の周りに人だかり。やはり人気店である。
注文したのは当然、桜えびづくしだ。
まず最初にやってきたのは生の桜えびと釜揚げ桜えび。生はわさびと醤油、釜揚げは大根おろしと一緒に食す。
これに関しては「すげえ! 美味い!」ってほどじゃなかった。美味いことは美味いのだが、予想の範囲内。ちょっとわざわざ食べに来て感動できるほどじゃないなと思った。
だが次に来てしまった。ヤツが。
タイトルにあるようにかきあげだ。
これを食べた瞬間、桜えびはかきあげで食すためにあるのだと思った。
薄い衣に桜えびと少しの三つ葉。塩だけ振って食べるのだが、これがまた凄い。
口に入れ、噛むと口の中にエビが襲ってくる。香る桜えび。エビの旨味、凄い!
うわあ、エビだぁ! 油分のないエビに油は相性悪くない。だが薄く仕上げたから余分に含んでいない。それに水分が飛びエビの味が濃くなっている。エビ天とは違う。エビ天じゃこの香りは出せない。鼻に香るというよりも、口に入れるとエビの香りが充満する感じだ。
店がかきあげの注文数を制限しているのがよくわかる。もしボクならかきあげだけ何枚も食べたいところだ。くっそぉ。
桜えびのかきあげ。なかなかだった。次来たときはあじのたたき丼とかきあげを食べよう。
桜えびの釜めしはまあ、美味しかったよ。
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