キャサリン
キャサリンはキャサリンである。
誰だよそれとか思われるかもしれない。
人肉食? とか思われる可能性もあるかもしれない。
今回のキャサリンは、小麦粉である。
ちなみにキャサリン粉という小麦粉は、小麦の種類でキャサリンというものがあるわけではない。製法の名前だ。
麦の粒にも部位がある。上の方、下の方、外側、内側といった具合に。
キャサリンは、そのうちの『パンに適している部位』のみを取り出し、粉にしたものなのだ。
なにその贅沢な使い方。要するに麦のヒレ肉みたいなものだと思っていい。
そしてこの小麦粉、とてもお高い。とはいえ数万とかする代物ではない。普通の小麦粉と比べたら結構高いよという程度。
このキャサリンを使用したパンを食べたい場合、キャサリンを使用しているパン屋を見つけるか、キャサリン粉を買って自分で焼くしかない。
うちの場合は幸いなことに、近場のパン屋でキャサリンを使用しているのが売りのパン屋がある。というか、キャサリンを売りにしはじめた。
ボクの人生のうち、パンで感動したのは4回だ。
ひとつは海外旅行の際に利用したホテルで食べた焼き立てパン。
もうひとつは某レストランチェーンのラケルパン。
あとはみんな大好きメゾンなんたらの食パン。
そこにキャサリンが加わった。
キャサリンの感動といったらもう、「こんな食パンがあったのか!」と、驚きを隠せないほどだった。
いわゆるモチモチ系ではない。そしてメゾンなんたらのようなスカスカではなく、どちらかといえば浅野屋のようなぎっしり系。
だというのに軽い。そして噛み応えはサクッである。
トースターで焼いてはいるが、これほどサクッと噛み切れる食パンは初めてだ。
ちょっと……いや、けっこう前からモチモチパンが流行っているのだが、これは完全に逆行している。
だがこの食感を知ってしまうと、モチモチパンなんてなんら特別な感じはしない。
一斤1000円とかする高級食パンとかがもてはやされる昨今、一斤300円もしないキャサリンがとても輝いて見える。
モチモチ食パンにそろそろ飽きがきている方、変わったものが食べたい方、そして真の食パンとはなにかを追求したい方におススメ。超おススメ。
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