ボタンエビ
ボタンエビなんて回転寿司でもあるじゃないかと思っている人もいるだろう。だが奴らは基本的に海外から輸入したものだ。国産じゃない。
そして国産ボタンエビで有名なものといえば北海道産。年間を通して3ヶ月ほどしか漁を認めていない希少なものだ。
ボクがオススメするのはそんな北海道産ボタンエビ。しかも大サイズだ。
大サイズボタンエビはなかなか高価であるが、ブドウエビのように引くほどではなく、ボクのような庶民でも無理せず買える代物なのがありがたい。
といっても冷凍なら1匹で300~500円。生だと市場で700~800円と、無理をしないといっても買うのは勇気がいる。なにせ大サイズといっても1匹2匹程度で満足できるほどじゃないからだ。できれば4~5匹は欲しい。
食べ方はもちろん生だ。揚げて食べるのが好きな人もいるだろうけど、ボクは生のボタンエビが好きだ。甘エビもいいが、ボタンエビのほうが大きい分、満足度が高い。
大サイズのボタンエビは基本的にみんな雌だ。雄が小さい……まあ小さいのだが、それには理由がある。ボタンエビは全て雄として生まれ、大きく育つと全部雌に変わるらしい。だから雄はある意味未成熟といえるのだろう。
さて食す。
甘エビもそうだが、ボタンエビはある程度鮮度が高くないほうがいい。冷蔵庫などで保管が前提だが、2日くらい経たないとあのねっとり感は出ない。そりゃそうだ、新鮮なとき既にねっとり甘い体をしていたらとても泳げたものではないだろう。
エビの尻尾は引っ張ったら駄目だ。頭の後ろのほうを持ち上げるとボディが綺麗に取れ、中が上手く食べられる。エビもやはりミソがうまい。
そういやボタンエビってなに食ってるんだろう。ま、まあ気にしていたら食べられなくなってしまう。きっと海藻とかに違いない。
ちょっとお高い食材であるが、食べ方はお上品じゃ駄目だ。素手で食べる。ミソはすする。卵はむしり食う。バリバリと殻をはいでわさび醤油とともに口へ入れる。ほぼ野生。美味いもの相手にいちいち理性なんて気にしていられない。男は黙ってベアナックル。
こいつらの甘みは霜降り牛とはとことん違う。奴らの例えである「口の中で溶ける」は通用しない。へばりつくような甘みだ。だが美味い。
今の時期では冷凍ものしか出回っていないが、ボタンエビ好きなら是非食べてみよう。オススメ。
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