アスパラガス
アスパラなんてどこで育てても一緒じゃん。そう思う人は多い。
だがボクともなればたかがアスパラといえど産地にこだわってみたりする。
というわけでこれまた時期が全く異なる話だが、アスパラガスだ。
ボクはアスパラガスというやつが特別好きというわけではない。美味いものは美味いと思うが、所詮草だ。
草じゃなくて茎? 大差ないと思う。
しかしこのアスパラ、実はかなりの可能性を秘めているのではないか。
そんな思いでボクはアスパラを食すことにする。
もちろん産地は名寄産。名寄のアスパラは最高品質で、某料理対決番組の特選素材として選ばれたこともあるのだ。
ただ単にボクが名寄贔屓なだけだろと言われたらそれまでだ。名寄ラブ。
でも本来なら名寄の特産を紹介するとしたら、アスパラではなくもち米だ。名寄は日本一のもち米の産地でもあるのだから。
それはそのうち紹介するとして、アスパラの話だ。アスパラは普通それなりに育つことなく収穫されるため、細い。しかし名寄のアスパラは太く長い。
もちろんもっと太くて長いアスパラは他にもある。だがアスパラというのは育っていればいいというものではない。育ってしまうと固くなってしまうからだ。それでも名寄産は柔らかく、やさしい歯応えをしている。
あとアスパラを噛んでいるとわかると思うが、味がやや草っぽい。いや、草だから当然と言われたらそうなんだけど、名寄産は草っぽくない。これで草でも食ってろ牛野郎と言われなくて済む。
そしてアスパラといえば豚肉だ。薄く切った豚肉を巻いて焼く。塩コショウだけでもいいし、しょうゆとみりんを混ぜたものをつけて焼いてもいい。焼肉のタレなんていう卑怯者の手を借りても問題ない。ボクはベーコンよりも未加工の豚肉を巻くほうが好きだ。
ここでようやく実食。先に述べた通り、名寄産アスパラは太くて長いのに固くなく、更に甘みがある。
とはいえほんのり甘い程度。巻いた豚肉の脂をアスパラがさっぱりさせつつアスパラの甘みを感じる。そして味付けがいかに大切かよくわかる。
なにせ名寄のアスパラはとんでもない主張をしてくるのだ。ただ豚肉巻いて焼いただけだと豚の味がアスパラに負ける。どんだけ味が濃いんだよというくらい猛烈にアピールしてくる。まあアスパラが主役なんだからこれでもいいという人もいるだろう。だが物事には常にバランスが大事。やはりみりんと醤油に出張ってもらおう。
するとどうだろう。豚の脂の甘味とみりんの甘味、そしてアスパラの甘味がうまく混じり合い、更にお互いの旨味まで引き出し合う仲になる。もうこれとごはんだけで満腹になるくらい食べたい。
今年も早くアスパラの季節になって欲しい。そしてまた名寄から送ってもらうんだ。
ただしホワイトアスパラ。お前は駄目だ。
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