ブッラータ

 ボクはあまりチーズが好きではない。嫌いとまでは言わないが、わざわざチーズを食べに行きたいとかまでは思わない。

 チーズケーキも嫌いじゃない。でもあれなんで酸っぱいのだろう。いわゆる甘酸っぱいではなく、チーズケーキは酸っぱいと甘いが別々に存在している気がする。あの感覚はなんだろう。そのせいもあって好きだと公言しづらい。


 そんなボクがわざわざ食べに行くチーズというものがある。それはモッツァレラチーズだ。通常の牛、乳牛ではなく水牛の乳から作るフレッシュチーズである。

 こいつとトマト、更にオリーブオイルとバジルの組み合わせは最高だ。これだけ食って腹いっぱいになってもいいくらいに食べたい。塩? いらないよ。


 だがそんなモッツァレラにも、滅多に食べられないものがある。それがブッラータだ。こいつは日本だと食べられる店がかなり限られている。

 なにせ風味が恐ろしい速度で落ちる。出来立てでなくてはいけない。通常のモッツァレラと異なりイタリアから空輸することができないため、日本で作るしかない。


 大福のように周りを包むモッツァレラチーズの中に入っているのは、生クリームと水牛の乳を混ぜたとろっとろのモッツァレラチーズ。ナイフとフォークで食うわけなのだが、まるで餅を切っているみたいな感触がする。

 そして中身のモッツァレラはどろりと溶け出すわけでなく、ちゃんと形を保っている。かなりもっちりしたチーズだ。

 熱を加えればそんな感じになるチーズはいくらでもある。ピッツァの上にかかっているようなやつ。だがこいつは冷製だ。なのにこのもっちり。猫舌だろうと関係なしに食べれる。スバラシイ。


 自分で作れないならば店で食べることしかできない。基本的に持ち帰り販売は行っていないところばかりだ。それはもちろん鮮度や風味が落ちるからだろう。

 そしてお高い。ボクが行く店だと、肉だったらそこそこ有名なブランド牛レベルの金額になる。


 もし自分が無類のモッツァレラ好き、或いはモッツァレラ教団に所属しているというのであれば是非食べてもらいたい。それだけの価値はある。


 ちなみにボクは教団員だ。

 モッツァレラ様ばんざーい! モッツァレラ様ばんざーい!

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