スモークアイスバイン

 アイスバインと聞くと、何かの武器か技かと思われる人もいるだろう。だけど実物は豚のスネ肉のことだ。重量的には500~800gほどで、その大部分を骨が占めている。塩漬けしたものが一般的で、それを更にスモークしたものがある。

 大抵の場合ハムのように削ぎ落とし食べるのだが、こいつには他の使いみちがある。それがポトフだ。


 でかいアルミ鍋に8等分くらいに切ったキャベツ一玉。あとは半分に切った、さもなくば切らずに薄皮だけ剥いただけの丸玉ねぎ4つ。その他しいたけやえのきなど、きのこ類を適量。あとはソーセージとベーコンを好みで。それを入れてから水、コンソメスープ一片。とどめにスモークアイスバインを入れて煮込めばいい。味的にはちょっと薄いかなくらいが丁度いい感じ。

 1時間半ほど煮込んだあとは火を落とし、翌日食べる。


 とても雑だ。男の料理とも言えるほど適当で簡単。しかし美味い。

 スープに溶け出した塩漬け豚肉。それが付随している豚骨から出汁がよく出ている。スモークも味のアクセントとしてわかりやすい。

 時間をかけて煮込まれた肉は箸でもほぐれるほどで、解体も楽。

 胡椒は忘れずに入れよう。粗挽きが素敵。

 家族でも1回で食べ切れる量ではないため、まだまだ続く。その際に骨から肉を全部剥がし、骨は割って再度入れる。豚骨スープのようなものだ。破片は入らないよう注意しないと後で泣く。

 あとはお好みによってバターをちょっと入れてもいいかもしれない。いいコクが出る。男は黙ってバター。


 家族が何人いるかで変わるが、数日続くポトフ。スープが余るから具を足しつつうちでは5日ポトフの刑。美味くなければ辛いだけだが、アイスバインのポトフならそれも可能。


 以前は月に一度手に入れていたのだが、今は数ヶ月程度になってしまった。1杯あたりの単価が安いから経済的で、簡単に作れるのに美味い。ちょっとオススメ。


 ハムのように食べてみるとこんなものだろうなという予想通りの味。

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