幕間

賀上涼太



 この一か月、色々な事があった。

 いや正確には、輿水が死んだあの日からかもしれない。

 輿水が死んで、陽香が死んだ。陽香は幽霊となって僕の前に現れた。超能力を持った探偵である斑鳩さんと出会い、事件を解決するために行動した。とは言っても、僕にできたことなんて少しもない。結局その後も、多くの人が死んでしまった。水無月巫女、高峰晶紀、加佐見華。彼女たちは犯人の手によって無残に殺されてしまった。そしてその犯人も結局自殺をしてしまい、事件は有耶無耶のまま終わってしまった。そして斑鳩さんも死んだ。


 僕はこれから、この事件を終わりにしなくてはいけない。

 幕が下りたこの事件を、本当の意味で終わりにしなくてはいけない。

 そしてそれは、僕にしかできない。



 

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