幕間
輿水凛
あの日を事を思い出すと、今でも心が痛む。
あの日、私と陽香ちゃん、そして涼汰の三人でいた記憶。
昔、私たち三人はとても仲が良かった。俗にいう幼馴染というやつだろう。遊ぶとなればいつも三人で行動していたし、その付き合いは家族ぐるみにもなっていた。
男の子一人に、女の子二人。小学生からすれば奇妙に映るかもしれないその不思議な関係は、他の男の子によくからかわれていた。
陽香ちゃんはいつも傷ついていたし、私はおびえていた。言い返せればよかったのかもしれないが、でも当時の私たちはそこまで強くはなかった。むしろ弱かったといってもいい。
だから、強かったのは涼汰だった。涼汰はいつも私たちをかばってくれた。そんな涼汰の事が、陽香も私も大好きだったのだ。
でもその関係は、もろく崩れ去ってしまう。
―――――あの日、私たちの仲は決定的に変わってしまった。
原因を求めるのなら、それは私の弱さだろう。あるいはそれは狡さなのかもしれない。
どちらにせよ、あの時私はどうしようもない程の罪を背負った。
そんな私が、どんな顔で涼汰に会えるのだろう。
高校に入って、同じクラスになった。中学から気まずい関係は継続中だ。
でももしも、あの日の罪を涼汰が許してくれるのなら。
私たちは元の関係に戻れるだろうか。
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