第2話 寝ている間に…?

「ただいまー」


俺はきちんと靴を揃えて家に上がる。そしてそのまま自分の部屋に直行。俺は友達はいないが運動ができないわけじゃない。だがやはり自分の部屋は落ち着くな…。


「さて、ゴブクエでもやるか」


そういいつつ俺は最近流行りのゲーム機を手に取り電源をつける。ゴブクエとはゴブリンの出てくるロールプレイングゲームのことだ。暇な俺は2日でストーリーはクリアしていたが、手に入れていないゴブリンをゲットしたり、ネット対戦をしてあそんでいる。


「あぁ…、暇だ…。」俺はあくびをしながらゲームを進める。数十分ゲームをやっていると親が


「ご飯よ〜」と言ってきたので俺は


「わかった! 今行く!」と返事して1階に降りていった。


今日の晩御飯は白米に豚汁、焼き魚とサラダに目玉焼きだ。ポピュラーな料理ばかりだが結構好きだ。母さんの料理は美味しいので残さず食べる。サラダは苦手だが作ってもらったものなので残さずに食べる。いつも思うがこんな日常は暇で暇で仕方がない。毎日学校でライトノベルを読み、帰ってゲームや晩飯を食べて寝る。たまには非日常というものも経験したいものだが…。そんなことを考えているうちに皿の料理が無くなっていた。


「ごちそうさま〜」


今日も風呂の湯加減は良かったしご飯も美味しかった。料理のバラエティがもう少しあればなお良いがそんなわがままを言える立場ではない。昔言ってみたら、文句があるなら自分で作れ!と言い返されてしまい、わがままを言うのはそのころからやめた。


「もう眠いし寝るか。おやすみなさい」


俺は体育の授業で疲れていたのですぐに眠りに落ちていった。


寝返りをうったのだろう。ごろんと転がるとガツッ、と頭が何かにぶつかった。家のベッドにこんなに硬い物は無いはずだ。しかもいつものように布団がふわふわしていない。どちらかというとザラザラしている。とりあえず気になった硬い物を触ろうと手を伸ばす。


「何なんだ、これ…」


触ると石のような感触だった。ん、石? そこで俺は異変に気がつき飛び起きた。周りを見渡すとそこは…。


「森…?」


そう、俺はゲームやアニメのような森林の地面で寝ていたのだった。全身に土が付いているのも気にせず周りを見渡してしまう。木漏れ日とたまにふく微風が心地良い。しょうがないじゃないか、俺の住んでいる所にはこんな場所無いんだから。


「やっと起きたのね…。あんた、土の上で良くこんなにぐっすり寝られるわね…」


いきなり俺以外の声が聞こえびっくりして、頭上を見ると、なんとそこには仄華がいたのだった。

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