あなたの魂は何色ですか? 〜アヴィルス冒険録〜
灰。
第1話 転移前の出来事
「何だこれ…!」
周りに広がる現実ではありえないファンタジーな光景。
俺、星光木霊(ほしびかりこだま)は寝ている間に異世界に来てしまっていた。
遡ること5時間前。
今日の6時間目の授業は数学だった。俺は数学が1番嫌いな授業なので、ずっとゲームのパーティー編成について考えていた。高校生になってから数学はもっと苦手になった。
「あー、疲れた〜。今日も学校暇だったな…」5時間後には異世界に転移されているわけだが、のんきに独り言を言う俺こと星光木霊。不思議な名前だが別にモテるわけでもない普通な外見で友達はあまりいない。勿論彼女もいない。だがそんな俺に話しかけてくるやつがいる。
「おーい! 木霊!」
女の声だ。女子で俺に話しかけてくるやつなんて一人しかいない。柊仄華(ひいらぎほのか)だ。ネカマっぽい名前だが本名だ。
「どうしたの? テンション低いね〜!」
いちいち発言が煽ってきているようにしか聞こえない。俺が学校ではボッチなことを知っているはずなのに。
「学校でテンション低いのはいつものことだろ…」
気にしていることを言われてちょっとイラッときたので声低めでそう言う。すると仄華は
「そうだったー。忘れてたー」
と棒読みでそう言った。くっそムカつく。
「まあボッチな木霊が私みたいな美少女と下校できるんだから感謝しなさい!」
仄華は見た目だけ見れば結構可愛い。だが性格がアレなのであまりモテない。もう何か適当に理由をつけて家に帰ろう。
「そうだ! 俺もう家近いし帰るな! じゃあまた明日!」
「えっ。ちょっと! 待ちなさいってば!」
そう言って追いかけてくるが運動音痴なので俺には追いつけない。そのまま俺は家まで逃げ切った。
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