第11話夢見の本

表紙を開くと文字がずらっと書かれていた。

上から読んでみると、19〇〇年 有山ゆま誕生と書かれていた。

年表みたい。

ずらっと書かれている。詳しい事は書いてなく、入学とか卒業とか何歳になったとか簡単な年表みたいだった。

そして、今の年齢まで行ったところで、後はない。まあ、年表だからそうだろうな。

年表の所を過ぎると次のページには


『マジックアワーでの生活』


と書かれていた。


「マジックアワー・・・?」


「この世界の事だと思う」


「え、保知さん知ってたの」


「うん、授業で教えてもらった」


「教えてほしかったよ・・・」


「ごめん・・・話すタイミングなかったから、それにゆまちゃんが本を読んだらわかる事だって先生に言われてあまり、言うなと言われてたから」


「え?先生が?あの夢食先生が?」


「ううん。もう一人の先生が」


ああ、あの白い方か!!


「先生たち、本当私に意地悪だっ!」


「そうかな?私はなんだか事情があるからかもって思うかな、多分」


「えー!でも事情があるにせよ、ある程度説明は欲しいよ」


「ま、まあ。でも本手に入れられたし今度聞いてみようよ、詳しく」


「根掘り葉掘り聞いてやるつもりでいる」


キーンコーンカーンコーンと呼んでいたらチャイムがなる。


「はっゆま!そろそろ戻らないと」


保知さんはが、教室にさっさといってしまいそうだったので、追いかけていく。


教室に戻ると生徒は皆座っていた。先生はまだ来てなかったので急いで、自分の席につく。

椅子に座って、先生が来るまで私はさっきの本の続きをみようと思って黒い本を読みだすと、皆が私の方をばっと見た。


「わあっ!」


ついびっくりして声がでてしまった。


「あの・・・皆さん?なんでそんな私を見てるんでしょう?」


それにこたえてくれたのは、保知さんだった。

「ゆま、言い忘れてたけど、本読んでいいのはね、朝の時だけで、それ以外の時間に読んでる子は(順番がきた子)だけだから、ここでは読んだら駄目だよ!他の場所ならともかく」


「へ?なんで?」


「そう、決まってるの」


と保知さんが言うと、ガラッとあの白い先生が入ってきた。


「は~い。み~な~さん。席に~着きましたか~?座っているみたいですね~。なら授業を始めます~今日は~。」



「(過去との決別についてで~す)」


え?

前に授業受けたときは、今日の授業は〇△□mkふぉおkwじhghnuって感じで何言ってんだか、というかどこの言葉と思って聞いていたのに。


今ははっきりと聞き取れた。

てか過去との決別ってなに?

もう、色々と聞きたい事がありすぎて、授業きいたらわかる事かもしれなかったけど達ががって叫んでいた。


「先生!あの、私・・・本を手に入れたんです!少しだけ読みました!・・・教えてください!ここはなんなんですか!過去との決別ってなんですか!!」


「あー。有山さん~手に入れた~んですね。なら~後で職員室に~来てください~

いままでの復習を~しましょう~。今日の授業~の件については~分からないこと~だらけでしょうが、大事な所でもあるので~聞いていてくださ~い。なので~座って~くださ~い」


「でもっ」


そういおうとしたけど、周りの人たちがじっと見つめていて、なんだかその目が怖くて

私は座った。


初めて、意味の分かる授業を受ける。

それは、私にとって、とても衝撃的な内容だった。


この世界の事はまだよくわからないけど、私たちが此処に居ている理由は過去にあった事を忘れるために来たという事。

なぜ、忘れないといけなかったかを見つめなおす必要があるけど、その方法が


「(食べてもらう)」 事だったって事。



第?章「知る事」


食べてもらう事はまた、説明してくれるとの事で省かれたけど。

でも、それでも、先生の説明は私にとっては現実感がない、そもそもこの世界に来てから現実感なんてなかったけど、さらにない。


授業中、皆はカリカリと書いていたけど、私は口をぽかんと開けて聞いていた。


授業が終わり、先生が私の席に来る。


「有山さん~。終わりましたよ~。」


「先生・・・・なんだかさらによく分からないですよ」


「そうでしょうね~授業終わりましたし~職員室で~ゆっくり話をしましょう~」


と手を差し伸べてくる先生。

怖い。この手を取るの。

怖くて、怖くて、私は保知さんの方を見て、どうする事もできないのは分かっていても

保知さんに助けを求めていた。


保知さんはその目線に気づいたのか来てくれた。


「ゆま。私も一緒にいくよ。心細いでしょ。だから、聞きに行こう。知ることは怖いけど、知らないと何もできないよ」

「保知さん・・・でも怖いよ。私、知れば知るほど覗いてはいけないパンドラの箱を開けているようなそんな気がするの、ねえ。開けても大丈夫なのかな?」


不安が心いっぱいになり、頭も若干痛くなっていた。


「それは見ないといけない箱だよ」


そういって保知さんが手を差し伸べる。

二人の手が私に差し出される。


「どうしても?」


「どうしても。ごめんね。開けたくないのは分かる。すごくわかる。

でも、ゆまがそれを見てくれないと、私を思い出してはくれないだろうから、私は止めない」


「・・・そうなんだ。これを見たら、保知さんの事も思い出す?」


「うん」


その一言で私は先生と保知さんの手を取った。



私は職員室に行く間、ずっと保知さんと手をつないでいた。

怖いからなのか、なんなのかは分からないけど、なんとなくお互いに手を離さずつないでいた。


職員室に行くと、白い先生のほかに、夢食先生も居た。


「失礼します」そういって入る。


夢食先生は私に気づいたのか、近づいてきた。


「ゆまさん。本、手に入れたたんですね、よかったです。なら、今度こそすべて、私達が知っていることを伝えられますね」


「夢食先生、私、知らないこは怖いっていってましたよね、でも知ることもやっぱりこわいです。どうしたらいいでしょうか、

私は、知りたいからこそ、探してきたのに、根掘り葉掘り聞く気満々で来たのに、

いざ、見つかるとし怖気ついてじまったんです・・・」


「ゆまさん・・・でも、ゆまさん、貴方何も知らない。

この世界に来た理由も。ていうかその為にあなたは

夢見の本を探していたのではありませんか?

見るべきです。知るべきです。

私からしたら、遠野君にゆまさん、二人は知るべきだと思っています。」


「夢食先生・・・。」


そう、この世界に来て、私は知らないことだらけだった。

だから、どうにかしたくて、本を手に入れようとしてた。

知ることがどうなるかなんて考えてなかったな。


「先生、どうしてですか?どうして知らないままの方がいいかもしれないのに」


「私は今後どうするか決めるために、そして自分や誰かの為にです、

知らないと決める材料がなかったり、そこに何があるかなど、方法も知らないとできないこともあったりします。

ですが決めるのはあなたです。知るか知らないか」


先生がいう事はもっともだし、私だってそれについては賛成ではある。

ただ、これはどちらかというともう気持ちの問題な所もあり。

見るべきであって知るべきであるのは分かるけど、思い出したくないこと、知ってしまったら後悔しそうなこと、そういうなんがつまっているような気がする。あの本は。

先生の授業を聞いていて、そんな気がますますしてきた時点で、そう思ったから。


「ゆ~ま~さん、どうしますか~?もし決めかねているなら~明日でもいつでも~大丈夫ですよ~」


「先生・・・」


・・・でも、後悔か・・・。

この世界に来てから、後悔とかしてきた気がする。

横の席の男の子に最後に感謝の言葉をくれた女の子・・二人ともを消すしかなかったことが悔しかった。なにもできず、ただ、近寄るだけそれだけしかできなかった。

もしかしたら、何か知っていれば違う方法で助けられたかもしれないのに。

それに、まだ、私、最初に出会ったあのひっぱった子がどの子か分かってないよね。


気持ち的には怖くて見るべきではないと思ってはいるけれど、でも多分、みないと後悔するだろうな・・・。


「・・・・先生、私・・・知りたいです」


「今、決めて~大丈夫ですか~?」


「はい、先延ばしするとさらに聞きたくなくなりそうなので」


「そうですか~・・・なら、面談室が~職員室の横に~あるので~そこに~行きましょう」


先生は面談室に連れてってくれた、保知さんと一緒に。

先生に促されて、椅子に座る。先生も目の前に座った。


「さ~て~。何から~聞きたいですか~?」


「えっと・・・とりあえず、先生の名前知りたいです。」


「あ~。言い忘れてましたね~じゃあ、サンタさんっで~」


「は?」


「んとですね~そもそも私達~は~名前はひとつだけで~お互いに生徒がつけた~名前で呼んでいるので~実は~来夢とか~予知夢~とか色々言われてるんですが~サンタさんが一番しっくりきます~なので~これでお願いします~」


「あの、サンタ先生・・・先生サンタさん知ってるんですね」


「生徒が教えくれました~今の所一番、お気に入りなので~」


「ちょっといいずらいけど、わかりました。聞きたい事沢山ありますが、今はこの世界の事が一番気になるので教えて欲しいです。」


「なるほど~でしたら~10ページからの復習~ですね~。せっかくなので~保知さんも本は~持ってきてるでしょうから~一緒に~学びなおしましょう~」


と言われて、ほちさんも本を取り出す。

当たり前だけど、保知さんのも真っ黒だった。

3ページを開くと、【マジックアワーについて】と書いていた。


「此処はマジックアワーって呼ばれていています~。黄昏時とも~呼ばれたりしますが~基本は~マジックアワーと呼ばれています~。

呼ばれている理由としては~此処は~自分~他~すべて~影がありません~。

というより~見えません。そんな時間帯で止まっているから~そういわれてます~。」


先生は、その後、詳しく教えてくれた。

この世界は風景もかわらず、空の色もかわらず、ただチャイムで時間帯を決めてはいるけど、

実際は止まっている人はこの学校と寮以外には居ない。

私が歩いていたあそこには何もなく、あるのは学校とみんなが暮らしている寮。

そして、夢をただ見ているだけなのでは?とずっとそう信じていたかった事、それを

聞いてみた。


「夢を見ている・・・といえばそうかもしれませんが、違いますね~。

夢の世界に来たという方が~あってますね~。

よく夢遊病の方とか~いますよね~?あれは~呼ばれてるんですよ~。この世界に~。」


「じゃっじゃあ・・・ここは現実なの?」


「私にはそれがよくわからないです~。今見えてるものが~すべてだと思いますよ~?

そういう事は夢食先生の方が~詳しいでしょ~?ね~?」


そういって、夢食先生の方を向く。


「現実ですね、今あなた居るのは。正直私達からはあなた方の世界というものがどんな所かは知りませんが、それがあなた達が居た場所なら、今、貴方はその元の世界には居ません」


私たちの方は向かずにただ、手に持っている何かを見つめて話していた。


「そ・・・そんな・・で、でもそれなら、だれか探してるはずですよ!」


「この世界は誰でも~いける場所では~ないので~探しても~見つかりませんよ~


「どういう人が此処に来てるんです?」


「ん~・・私と夢食先生とあともう一人、が必要としている人ですね~。あ、でもこの世界を私がつくった訳ではないですよ~?この世界はもともとありましたよ~ただ、そこを作り直したのは~そのもう一人です~。私と夢食は誘われ連れてこられた感じ~ですね」


「じゃあ、皆さんが、私を連れてきたんですか?それにそのもう一人って誰ですか?」


「連れてきたのではないです~。呼んだだけですよ?それに私と夢食はそれについては~何もしていません~。それに私の仕事は~教える以外にまだあるので~」


「そのもう一人がしたって事ですか?」


「そうなりますね~」


「その人とは会えないのですか?」


「それは~教えられないです~その人の存在が居る事は授業でも教えてますが~それ以外は教えていないので~」


「すべて教えてくれるっていったじゃないですか!」


「その人の事は駄目~なんですよ~。それより、ここの世界の事分かりましたか~?」


「そらさないでください!」


私が前のめりに先生に近づくと、そでのすそを保知さんが掴んだ。


「ゆま、それ以上は聞いても答えてくれないよ。きっと。皆一回は聞いたけど、だれも知らないみたいだし」

「むー・・・。どうしても、答えられないですか?」


「すみません~。それはどうしてもですね~他は答えますから~」


「・・・他はなんでも答えてくださいね」


「はい~」


その後、先ほどみた【マジックアワーの生活】の方に説明をされた。

ここでの食事は給食当番が給食を取りにいくらしいということ。

なんだか給食とか懐かしい。

授業が終わると、寮に行くか、部活をしている人もいるとか。

寮は学年によって分かれている。

寮は学校の裏にあるらしく、行き方がちゃんとあるらしくその道以外だといけない。

そのほか、テレビゲームとそういう娯楽系統はないかと聞くとないらしい。

でも、そういうなんがない代わりに、寮の中にかなりでかい庭園があり、そこで歌ったり、おどったり、本を読んだり、してるとか。


「先生・・それ飽きませんか?それに本とかどこから?」


「本は図書館からですよ~。いえいえ~皆さん楽しんでますよ~?」


本当だろうか・・いまいち信じられない。。ただ疑ってばっかだと進まないよね。


「先生、マジックアワーでの生活で一番長い人はどれくらいいるんですか?

それにここはいつできたんですか?」


「長い人は~多分、同じクラスに居ると思いますよ~ゆまさんと~」


「え?それおかしくありません?あれ、学年で分けているでしょう?見た感じ」


「学年というか~来たのが長いかで分けてます~でも~長年居る人は~自分で決めれるので~その人が一年を~希望してたはず~ですよ~。此処はがいつできたか覚えてないです~はじめは数えてましたが~覚えてないですよ~」


「えー!一応先生なんだし覚えておきましょうよ!」

キーンコーンカーンコーン


と新たな予冷が鳴る。


「あ~時間切れですかね~?」


「えっ」


「ゆまさん~。続きはまた今度で~授業があるので~放課後にもう一度~」


「どっどこに行くんですか!!」


「教室にですよ~。夢食先生も~行かないと~。お二人も教室に戻った方がいいかと思いますよ~?」


「また、おあずけですか?」

もう何回、ごまかされただろう。もうこれ以上先延ばしされたくない。

そういう気持ちを、伝われと思いながら、私はサンタ先生を見つめていた。


「う~ん。まあ、仕方ないですね~夢食先生~私の次の授業~自習って言ってきて貰っていいですか~?」


もう、教室を出る手前に居た先生が一言「分かった」と言って去る。

「さて~。では、マジックアワーの事やマジックアワーでの生活については分かりましたね~?と、後何を教えましょうか~?順番通りに教えてもいいのですが~。」


「後、実はですね、初め出会った時に私、急に眠たくなって倒れた時に、此処とは違う世界に行っていまったんですが、あれは何だったんですか?」


「あれは~わからないです~。なんで寝てしまったんでしょうね~。」


「わからないって!その後二回急に眠きなったときは夢食先生が居てたり、関係があったりしてましたよ?」


「それについては分かりますよ~。」


「え」



「夢食先生が関連している~なら~それは~約束いえ、(契約)~ですが関係しています~」


「契約?なんですかそれ?」


「呼ばれてくる人は~理由があるって言ってましたよね~?それがその契約をするためです~。その契約は~その人の夢を渡してしまう事です~」


「そっそれって将来の夢を渡すって奴ですか?」


「あ、知ってたんですか~?それです~」


「あれ、どういう事なんですか?将来の夢とか見えないもの渡せないですよ?」


「将来の夢を渡す~っていう事はどういう事だと思いますか~?」


「え?どういう事かって言葉の通りじゃないですか?」


「そうです~言葉の通りですよね~?なら、それを渡すという事は未来はどうなります~?」


「・・・・・えっまさかなくなる?」


「そうです~将来の夢を渡すのは~あるであろう未来を~あげてしまう。そしたら~本人に~未来はないですよね~?」


「そんなの私、信じたくないです。私、知らないまま渡したんですよ!説明もされず!」


「そうだったんですか~。でもまだ~続きがあるので~聞いてくださ~い。

実はですね~渡したとしても~ちゃんとした~契約をしないと~意味がないのですよ~

だから~返してもらう方法を試したらいいんですよ~」


「えっ返してもらえるんですか!?」


「ええ、まあ、でも、それは本人にとって~とても~とても~つらい方法なので~皆さん~しませんね~。そもそもゆまさんのように~帰りたがる人が居ないので~この方法はもう~今は誰も試していない~んですよ~」


「そんなにつらい方法なんですか・・??」


「はい~。聞きます~?」


「うー・・ん。先に聞きたい事聞いてからにします・・・。」


「わかりました~。」


「で、話は戻しますが、なんであれ、眠たくなるんです?」


「眠たくなる前に~本を触ったでしょう~?あれが人の深層まで行く方法~なんですよ~。」


「人の深層?」


「その本をもっている人の~心の奥底みたいな所です~。寝ているときって本当に思っていること~が~でるというでしょう?そういう事~です。だから、そこに~行くにはあなたも寝なくてはいけない~」


「意味はなんとなく分かりますが、すっごく設定が何でもありだなと思いますね」


「眠たくなるのはそのせいですよ~」


「でも、その後眠たくなったあと、なぜあの世界に行ってるんですか?」


「ああ、本触ったでしょ~?あれ、に吸い込まれてます~」


「ええっ!本に吸い込まれてたんですか!?」


「そうです~だから~初めに言いましたよね~?本には触らないようにと~それは、その人の世界につれてかれるからです~」


「そうだったんですか・・・それなら本当先にいってくれたら、あんな危険な目にあわなかったのに、なら夢食先生もすいこまれたんですか?」


「いえ~夢食先生は~違うみたいですよ~詳しくは聞いてませんが~」


「夢食先生の事は、サンタ先生はあまり知らないのですか?」


「そうですね~知らないことの方が多いかもしれません~」


「なら、私、サンタ先生の事聞きたいです、夢食先生も気になるけど、今聞けるのは先生だけですし、そもそも何者なんですか?人間ではないですよね?」


「私の事ですか~?それは~ちょっと~恥ずかしくていえません~よ~」


「ある意味一番謎めいてるの先生方なんですが、だってどうみても人間にはみえません」


「まあ、人間ではないですね~」


とここまでずっとだまって聞いていた保知さんが言い出す。


「ねえ、人間でないって、ゆま、どうみても二人は人間にしか見えないよ?」


保知さんもでしたか。

これだけはもしかしたら、私だけな気がしてきた。


「そうなんだ・・でも、私からは人間とは言えない姿が見えるんだよね」


「どんな姿してるの?」


「説明しずらい・・・なんだろ象のようなイノシシのような・・キメラのような」


「ゆま、全然わからないよ、それ」


「うん、私もわからん。でもとりあえず人間ではないとだけ、言っておく」


「ゆま、適当すぎっ!」


「お二人とも仲が良いですね~相変わらず。」


「あ、それなんですけど!私いつ此処にきたんですか?先生に言ってないかもしれないし言っているかもしれませんが、私、此処にきた記憶ないんです。

そもそも此処に居た事すら知りませんでした。」


「多分ですけど~ゆまさんは~もしかしたら~誰かに止められたのかも~しれませんね~

正直止める事は~できないのですが~止めたときに何かあったのかもしれませんね~」


止めてくれたねえ・・・てか。私の此処に来る前って教室で寝ていただけなんだけど、話しかけられたかな?

うーん・・・どうだったかなぁ・・・。


「先生、私此処来る前は、此処とは違う学校で寝ていて、しかも授業中でしたよ?誰かに話しかけられた記憶もないんですけど」


「そこらへんは分かりませんね~」


「先生ってなんでも知ってる訳ではないんですね」


「そうですね~夢食先生が知ってること~で私が知らないこともありますし~。すみません~。」


「もしかしたら、その人が私をこちらの世界につれてこさせないようにしたんですか?」


「それもわかりませんね~そういう人初めて~みたので~」


ここまで聞いてきて、大体自分の状況も把握してきたかも。

思っていたより、心配するほどの内容が出てきたわけではなかった

と言いたいけど、実はまだ、聞かなくてはいけない事があるけど、なんだか

これ聞こうと思うと、頭がチクチクしてくる。


嫌な予感でもしているのだろうか。

聞きたくないけど・・・でも、これは聞かなくてはいけないことだと思う。


「あの先生、その・・・・・必要な人って・・・呼ばれてきた人って・・

その人に何かあった人ですか?


「よくわかりましたね~。まあ、そもそもゆまさんはその深層の所まで行ったのならなんとなくわかりますよね~そうです。皆さん過去に色々会った人です~。

実はそれをもらうのが~夢食先生の役目ですよ~」


「それって(食べてもらう)って事ですか?」


「ゆまさんは~とても~賢いですね~そうです~。えーとこのページに詳しく載ってますよ~」


そのページには契約についての内容が書かれていた。

ようはほぼ今話してた事だけど、新たな情報もあった。


そこにはこう書かれている。

【夢を食べられるという事は、消えるという事です。

そもそもそれはいなかった存在のように。

存在自体消えます。

ここで存在が消えた場合、もう元の世界には戻れないので注意が必要である。

だから、本当にいいのか決めてもらう為に契約する前にすることがあります、

それは自分を知る事、そして、協力者を見つける事、それが必要です。それが見つけられた時に、自分と別れが告げられます】


頭がこんがらがってきた。


「先生・・・存在が消えるってなんなんですか!」


「そのままですよ~?」


「どうして!そんな消えようとしたんですか!?」


「そのままですよ?消えたかったからでしょう~?」


「それが意味わからないですよ!つらい事って生きててあります。でも、消えていい命なんて・・・いったぁ・・・痛い痛いっ」


この話をしてきてから頭はずっと居たくなってたけどさらに痛くなってきた。

触れちゃいけない事なのだろうか。


「ゆまさん~あまり無理しない方がいいですよ~?」


「いえっ此処で聞いてしまいたいですっ」


「でもですね~。」


先生が心配してくれているのは分かるけど、このまま去ってはいけない。

そう思っていたら「先生、また今度にしますね」と無理やり保知さんに手を引っ張られて

職員室を出された。


「保知さん!なんで!?離して!?」


「ゆま!!!少し落ち着いて!!!!!!!!」


ものすごい大声で切れられました。


「は・・・はい。。」


「気持ちは分かるけど、そんなに聞いてたらもう頭パンクしちゃうよ?ゆまは今日一日で少しがんばりすぎ!!とりあえず本は見つかったのだから、もう今日は寮に戻ろう」


「でもっ知りたいよ!」


「ゆま、知ることは大事だけど、もう少しゆっくりでもいいと思うの。

職員室行く前は早く知ってほしかったけど、どんどん体調悪くなってるゆまを見るのはつらつらいよ、今日だって倒れてたでしょう」


「・・・」


あせる事ではないのは確かだし、今回は普通に授業うけて、明日聞くべきかもしれない。

「わかった。じゃあ、明日にするよ」


「うん、なら今日はもう、寮に帰ろう!」


「え、授業は?」


「あ、さっきので終わりだよ。」


「え、となると・・・一日の授業は大体8時間くらい?」


「そうじゃないかな~多分。ここでの時間の数え方は皆バラバラだからねー・・

ただ、時間割表があるから、それで判断してる」


「時間割とかあったんだね」


「ちょっと見えにくいところにあるからね、また教えるよ。寮の場所も教えるし、今日は帰ろう!」

という事で、本も見つかったので、今日はそのまま寮に帰ることになった。

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