第10話探し求めていた物
戻った場所は、だれもなにもない教室だった。
こんな場所だったけ?私たちの居た初めの教室でないのは確かだったけど、あの場所の創造主的な子が居た教室ってこんなに静かったかな。
「帰ってきましたね。二人とも。お疲れ様です。さて、保知さんを探しにいきますか?」
「先生、此処ってあの・・おとなしそうな女の子が居た教室でしたか?」
「そうですよ。」
「人、だれもいませんよ」
「はい、あの子しかいませんでしたよ、貴方も一緒に来たのだから、知っているはずですよ」
正直、大勢とは言わないけど、もう少し居たような気がするけど、しっかりと覚えていない。
「守くん、守君はみたよね?此処にもう少し人いたよね?」
「えっあー・・・居たような気もするけど、俺も覚えてないわ」
「そっかぁ・・」
なんか、モヤモヤするものの、はっきりと覚えてないからそれ以上私はなにも言えなかった。
「さて、先生の用事が終わりましたので、職員室に戻りますね、お二人は保知さんを探さないと、もしかしたら、本を見つけてきてくれてるかもしれませんよ」
そういえば、そうだ。
その為にもわざわざ、行ってきたのだから、どうなったか話を聞きにいかないと。
「先生、また本を見つけたらちゃんと説明を全部してくださいね。それと協力してくれてありがとうございます」
「はい、見つけ次第また話しかけてください。いえいえ」
先生はそのまま行ってしまった。
此処には私とそして守君だけとなる。
あの世界に行くとどっと疲れがでてくる・・・さて!
それはまた後で休憩したらいい話だから保知さん探しにいくか!
「守くん、保知さん探しに行こう!」
「・・・せやな!行こか!」
なんだか妙な間があった気がしたのは気のせいかな?
守君はまたまた私の手を引っ張って走っていく。
「ちょっ!引っ張らなくても走れるから!」
第?章「見つかった本」
校舎を色々探し回ったけど、思ってたより広いし、それなのに見つからない。
保知どこだよ!!
「なんだか、かくれんぼしてる気分・・・」
「確かにやな、後探してないのはどこやったけ?」
「保健室だから、多分そこだと思う」
「まあ、ここまで探してないならそうやろな」
という訳で保健室へに向かうと
普通にいました。
保知さんは誰かと話していて、ドアを開けた時にはっとびっくりした様子で振り向いた。
「ゆまちゃん!!!!!無事帰ってこれたんだね!!」
そういうと保知さんは抱き着いてきた。
心配してくれてたようで、少し涙を流しながら抱き着いていた。
「心配させてごめんね、ありがとう」
「うんうん、仲がええなぁ」とつぶやく守君。おっさんみたい。
と、その一部始終を見ていた保健室の先生が空気を読んだのか分からないけど、
保知さんにウインクすると、どっかいってしまわれた。
「ちょっ!!またどこいくん!」
守君がいうがニコッと笑うと去っていった。
初めてみた保健室の先生は、人間だったので少し安心。
黒髪ロングの綺麗な女性だった。
と、見惚れている場合ではなく、保知さんにメインの事を聞かなくては。
「保知さん!どう?本見つかった!?」
そういうと保知さんははっと顔をして、言った。
「そうなの!!本あったよ!!!」
!!いままで探してもなかったのにっ!
正直、こんなあっけなく見つかると思ってなかった!
「マジで!!!!!!おおおおお!透子ちゃんやるやん!!」
「あ・・ありがとう・・・!!!!保知さん・・・それに守君もありがとう」
「いやいや、俺はなんもしとらんよっ、透子ちゃんが見つけて来てくれたおかげやん」
「ううん、あの世界で私を励ましてくれたり助けてくれたりしたもん、それに先生との約束の件だってそうだよ、ありがとう」
「いやー、そんな褒められると照れるやん!ってそれより本を見つけた本をもらわんと!」
「そっそうだね」
保知さんは、自分の鞄から、出したのは。
表紙が破かれていた黒い本とそして白い本だった。
改めて出された本に、何故かあまり親近感がわかず、渡されたけど、少しの間中身を見ずに見つめてしまった。
正直本当に真っ黒な本・・てかなんで表紙破けてるんだろ。真ん中に切り込みをいれてやぶいたか、獣に切り裂かれたように真ん中から破けていた。
と、それも気になるけど・・・
「あの、保知さん。この白い本は?」
「うーん・・私もね、それよくわからないの。黒い本と一緒においてあったの、この本がゆまちゃんのか正直自身はないの・・・基本この本黒いでしょ。見た目じゃあ、分からなくて。
それに中身をみるのは悪いかな思ってみてないから、とりあえず探し回って怪しい本がその二冊だったから持ってきたの」
「そうだったんだ・・・」
探していた本が見つかったものの、どうしよう。
読まないといけないのは分かるけど変な事起きたらどうしよう。
「ゆまちゃん、透子ちゃん、本見つかってよかったやん、もしその本がゆまちゃんのと違うなら、またいうてくれたら一緒に探すし、言うて!
俺は、とりあえず見つかったみたいやし教室戻るわ!あ、そうそうお礼はまたよろしくな~」
「えっ一緒に本を見ていかないんですか?」
「教室、少し遠いしな、先帰るわ。3-Bに居るしまた来てや」
守君はそう言って手をひらひらさせて去っていった。
てか、三年生か。3-Bって。先輩だったんだな。
守君が去った後、保知さんはじっと私の手元の本を見つめていた。
ほちさんも気になるみたい。
何もいわずただ、見つめているので、私はもう、覚悟を決めて開く事にする。
表紙を破かれた黒い本を開く。
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